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【荻原博子の家計防衛術】10月から厚生、共済年金が一元化

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10月から厚生、共済年金が一元化

荻原博子の家計防衛術更新

 10月から、サラリーマンが加入する厚生年金と、公務員が加入する共済年金が一元化されます。

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 公的年金には、サラリーマンの妻の専業主婦や自営業者らが加入する国民年金と厚生年金、共済年金の3つがあります。

 国民年金加入者は65歳から老齢基礎年金をもらい、厚生年金加入者は老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされた2階建ての年金をもらっています。共済年金加入者は、老齢基礎年金と老齢共済年金の上に職域加算が付く3階建ての年金をもらっています。

 一元化されるのは、厚生年金と共済年金。なぜ一元化されるのかといえば、表向きは官民格差の是正ですが、実は公務員の数が年々減っている一方で共済年金受給権者の数が増え、将来、財源が苦しくなるため。国家公務員共済と地方公務員共済を合わせると、平成27年には組合員386万人に対して年金受給権者は416万人ですが、10年後の37年には、組合員367万人に対して年金受給権者は449万人になると推測されます。

 一元化と聞くと、公務員もサラリーマン同様に2階建ての年金になるのかと思いますが、公務員だけには一元化された年金の上に「年金払い退職給付」という新しい年金ができるので、実質的には3階建てになります。

 「年金払い退職給付」は「民間企業の企業年金にあたるもの」と説明されていますが、企業年金は全ての民間企業にあるわけではないので、一元化後も公務員の年金の優位さは変わらないということになります。

 厚生年金の加入者が恩恵を受ける変更もあります。一元化される10月から、障害年金の受給要件が緩和されるのです。

 厚生年金の障害年金の受給要件は、これまで共済年金に比べてルールが厳格でした。例えば、原因となった病気やけがの「初診日」の特定については、厚生年金の場合はカルテなどの証拠の提出がなければ認められませんでしたが、共済年金ではカルテなどがなくても本人の申告だけで認められていました。

 けれど、10月からは厚生年金と共済年金でルールをそろえ、カルテがなくても認められることが明確化されました。これによって、過去に証拠を提出できずに不支給となった厚生年金加入者も、新ルールで救済される可能性が出てきました。(経済ジャーナリスト)