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世界で人気…地図絵本「MAPS」 作者夫妻「たくさんの物語が詰まってます」

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世界で人気…地図絵本「MAPS」 作者夫妻「たくさんの物語が詰まってます」

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 ポーランドの地図絵本『MAPS(マップス) 新・世界図絵』(徳間書店)の人気が止まらない。世界42カ国と北極・南極をユニークで精密なイラストで紹介する同書は、これまでに20カ国以上で出版され、100万部に迫る勢い。日本でも昨年9月の刊行以来11万部と異例の売れ行きを記録している。世界中で愛される絵本を送り出した絵本作家、アレクサンドラ・ミジェリンスカさんとダニエル・ミジェリンスキさん夫妻に聞いた。(戸谷真美)

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 「こんな成功は予想していませんでした。世界中の方に読んでいただけてとても光栄です」。メールインタビューに応じたワルシャワ在住の夫妻はこう喜んだ。ともに1982年生まれの2人はワルシャワ美術大学で出会い、グラフィックアートを専攻。学生時代から一緒に仕事をしてきた。ポーランドで2012年に刊行された同書は、ウェブデザインなどで活躍する夫妻が初めて手がけた絵本だ。「ずっと眺めていても飽きない絵本を作りたかった」と、丸3年かけて調査や描画、構成などを協力して行った。

 縦37センチ×横28センチという大きな本に見開きで描かれた地図には、各国の首都や人口、面積、言語などの基本データに加え、産業や動植物、建築物、食文化や偉人、伝統芸能まで多彩なイラストが満載。資料として活用したのはガイドブックとインターネットで、「一般的な情報は旅行者向けのガイドブックに載っている。でも、もっとも興味深く参考になったのはそこに住んでいる人や、旅行した人が書いた個人的な手記でした」と振り返る。

 紹介されている42カ国は、英国やフランスなど日本人も多く訪れる国もあれば、アフリカのナミビアやガーナ、南米のエクアドルといったあまり知られていない国もある。「選択の基準はシンプル。私たち自身が興味があり、また地図を広げて子供たちに話すときに良さそうな国々やトピックを取り上げたんです」

 夫妻の徹底したこだわりも光る。同じヒグマでも、北海道とロシアでは絵が違う。描かれた4千以上のイラストに同じ内容は一つもない。「強くひきつけられる何かがあり、たくさんの物語が詰まっています。インスピレーションをかき立てるパワフルな本なので、多くの人が興味をもってくれているのだと思う」と夫妻は語る。

 徳間書店によると、同書は印刷から製本まですべてポーランドで行っている。これも各国の読者が手に取る本をきちんと見たいという夫妻のこだわりだ。同社児童書局の上村令局長は「今も月1万~2万部のペースで売れ続けている。情報量の多さや構成の巧みさに加え、大人が読んでも十分楽しめる完成度の高さが人気の理由では」と話す。

 「まだ日本には行ったことがない」という夫妻だが、同書では母国ポーランドと米国の次に、遠く離れた日本を描いた。京都の下鴨神社や北海道の大雪山国立公園といったちょっと渋めの名所が紹介され、「女子高生」や「カラオケ」といった現代の風俗も見える。「日本の皆さんが私たちの本を楽しんでくれて幸せ。とてもユニークで魅惑的な日本をいつか訪れてみたい」