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【歌会始の儀】お歌一覧

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天皇、皇后両陛下、皇族方が出席して行われた「歌会始の儀」=14日午前、皇居・宮殿「松の間」(代表撮影) 天皇、皇后両陛下と皇族方のお歌、入選者らの歌は以下の通り(仮名遣い、ルビは原文のまま)。

 天皇陛下

 夕やみのせまる田に入り稔りたる稲の根本に鎌をあてがふ

 皇后陛下

 来し方(こしかた)に本とふ文(ふみ)の林ありてその下陰に幾度(いくど)いこひし

 皇太子さま

 山あひの紅葉深まる学び舎に本読み聞かす声はさやけし

 皇太子妃雅子さま

 恩師より贈られし本ひもとけば若き学びの日々のなつかし

 秋篠宮さま

 年久(としひさ)しく風月(ふげつ)の移ろひ見続けし一本の巨樹に思ひ巡らす

 秋篠宮妃紀子さま

 日系の若人かたりぬ日本へのあつき思ひと移民の暮らしを

 秋篠宮家長女眞子さま

 呼びかける声に気づかず一心に本を読みたる幼きわが日

 秋篠宮家次女佳子さま

 弟に本読み聞かせゐたる夜は旅する母を思ひてねむる

 常陸宮妃華子さま

 新しき本の頁(ページ)をめくりつついづく迄読まむと時は過ぎゆく

 寛仁親王妃信子さま

 松山に集ひし多くの若人の抱へる本は夢のあかしへ

 三笠宮家の彬子さま

 数多ある考古学の本に囲まれて積み重なりし年月思ふ

 高円宮妃久子さま

 来客の知らせ来たりてゆつくりと読みさしの本に栞(しをり)入れたり

 高円宮家長女承子さま

 霧立ちて紅葉の燃ゆる大池に鳥の音響く日本(にほん)の秋は

 【召人】

 春日真木子さん

 緑陰に本を繰りつつわが呼吸(いき)と幸(さき)くあひあふ万の言の葉

 【選者】

 篠弘さん

 送られし古本市のカタログに一冊を選(よ)るが慣ひとなりぬ

 三枝昂之さん

 音読の声が生まれる一限目明日(あす)へ遠くへ本がいざなふ

 永田和宏さん

 本棚の一段分にをさまりし一生(ひとよ)の量(かさ)をかなしみにけり

 今野寿美さん

 秋の気の音なく満ちて指先に起こしては繰る本こそが本

 内藤明さん

 開かれて卓上にある一冊の本を囲みて夕餉(ゆふげ)のごとし

 【入選者】(年齢順)

 奈良県 伊藤嘉啓さん(78)

 若き日に和本漁りぬ京の町目方で買ひし春の店先

 新潟県 吉楽正雄さん(77)

 おさがりの本を持つ子はもたぬ子に見せて戦後の授業はじまる

 愛知県 森明美さん(74)

 竹垣の露地に仕立てた数本の太藺(ふとゐ)ゆらして風わたりけり

 長野県 木下瑜美子さん(72)

 大雪を片寄せ片寄せ一本の道を開けたり世と繋がりぬ

 千葉県 平井敬子さん(59)

 「あったよねこの本うちに」流された家の子が言ふ移動図書館

 埼玉県 森中香織さん(58)

 本棚に百科事典の揃ひし日に父の戦後は不意に終はりぬ

 茨城県 五十嵐裕治さん(57)

 二人して荷解き終へた新居には同じ二冊が並ぶ本棚

 神奈川県 古川文良さん(46)

 雉さんのあたりで遠のく母の声いつも渡れぬ鬼のすむ島

 岡山県 中川真望子さん(17)

 暑い夏坂を下ればあの本のあの子みたいに君はゐるのか

 神奈川県 小林理央さん(15)

 この本に全てがつまつてるわけぢやないだから私が続きを生きる

 

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