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オンロードでも快適だ! 新型ランドローバー・ディフェンダー試乗記

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 ランドローバーの新型「ディフェンダー」を塩見智が、一足先に試乗した。印象はいかに?

引き継がれた初代のデザイン

 ランドローバー・ディフェンダーが、70年の歴史で初めてフルモデルチェンジした。2019年秋のアンベールからずいぶん待ち遠しい時間を過ごしたが、ようやくステアリング・ホイールを握る日がきた。

試乗車のボディカラー「バンゲアグリーン(メタリック)」は9万5000円のオプション。
試乗車のボディカラー「バンゲアグリーン(メタリック)」は9万5000円のオプション。
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 2016年にオリジナルモデルが生産中止となった直後から、「新型はこうなる」、「いやああなる」といった噂が世界中のファンのあいだで飛び交った。で、昨秋のフランクフルト・ショーで発表された新型は、刷新というべき変わりようだった。

 スタイリングは時代をワープしたかのように一気に現代的に。直線と平坦な面のみで成立した四角四面のデザインから、直線基調を維持しつつところどころ丸みを帯びたデザインになった。

 とはいえ丸目2灯ヘッドランプ、水平のショルダーライン、垂直のリアエンド、そしてルーフ後端の左右に設置されたアルパインウインドウなど、いくつもの“お約束モチーフ”が引き継がれたため、ひと目でディフェンダーの新型であるとわかる。そっくりおなじようにはしないものの、ところどころそのクルマならではの要素を盛り込むのは、ミニを復活させるときにBMWが使った手法だ。

【主要諸元(110)】全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm、ホイールベース3020mm、車両重量2280kg、乗車定員7名、エンジン1995cc直列4気筒DOHCターボ(300ps/5500rpm、400Nm/1500~4000rpm)、トランスミッション8AT、駆動方式4WD、価格589万円。
【主要諸元(110)】全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm、ホイールベース3020mm、車両重量2280kg、乗車定員7名、エンジン1995cc直列4気筒DOHCターボ(300ps/5500rpm、400Nm/1500~4000rpm)、トランスミッション8AT、駆動方式4WD、価格589万円。
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日本仕様は2.0リッター・ガソリンのみ

 今回試乗したのは、ロングホイールベースの110。ベースグレードに「アドベンチャーパック」というオプションパッケージが装着された車両だった。ボディカラーはこれまたオリジナルを想起させるパンゲアグリーン。

 日本仕様のパワートレーンは2.0リッター直列4気筒ガソリンターボと8速ATの1種類のみ。今後、どこかのタイミングでよりパワフルな6気筒モデルも追加されるはず。それが海外ではすでに販売されているガソリンか新開発のディーゼルかはまだはっきりとしない。

試乗車の19インチアルミホイールは、20万5000円のオプション。
試乗車の19インチアルミホイールは、20万5000円のオプション。
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 インテリアの快適性や使い勝手は大幅に向上した。インストルメンタルパネルもモダンだ。10インチの横長モニターをタッチすることによって、ほとんどの操作をおこなえるようになった。

 試乗したベースモデルのシート表皮はファブリック。色もデザインも地味でそっけないが、仕立ては悪くない。水弾きもよさそうで、掛け心地も良好。そして、オリジナルほどではないものの、悪路走行時に身を乗り出して車両周辺を直接目視しやすいよう運転席と助手席がそれぞれドア寄りに配置されている。そのためカップルディスタンスが大きくとられ、そこには大きなコンソールボックスが設置される(ボックスなしも選べる)。ちなみに本国では、フロント3人がけ仕様もある。

 ギアセレクターはインパネから生えている。オリジナルのように副変速機でローを選ぶためのレバーはもはや存在せず、スイッチひとつでローに切り替わる仕組みだ。

LEDヘッドライトは標準。
LEDヘッドライトは標準。
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快適な本格オフローダー

 アルミモノコックながら2240kgにも達する車両重量に対し、2.0リッターガソリンターボでは心許ないのではないか? と、心配したものの、駆動系のフリクションが少なく、オートマチック・トランスミッションのギアリングが適切なのだろう、結構よく走る。

 もちろん現代の尺度を当てはめると決して速いクルマではないが、一般道でも高速道でもかったるさを覚えるような場面はなかった。けん引を考えているなら6気筒モデルを待つべきだろうが、通常走行なら4気筒でOK。

 なにより感心したのは乗り心地の良さ。端的に言って極上だ。ボディ剛性がきわめて高く、乗員はとてつもなく頑強な箱のなかにいる感覚に包まれる。新開発の「D7Xモノコック」はオリジナルのラダーフレームの約3倍のねじり剛性を誇るという。

10インチのインフォテインメントシステムは標準。Apple CarPlayおよびAndroid Autoに対応する。
10インチのインフォテインメントシステムは標準。Apple CarPlayおよびAndroid Autoに対応する。
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 その頑強な箱の四隅にソフトな設定のエアサスペンション(サスペンション形式はフロントがダブルウィッシュボーンでリアがマルチリンク)に吊られたタイヤが装着されている。路面からの入力はエアサスが懐深く吸収し、どこをどう走らせても突き上げるような衝撃が乗員に伝わることはない。

 ここまで快適な本格オフローダーは初めてだ。快適性では、前後リジッドサスのジープ「ラングラー」はもちろん、フロントに独立懸架を採用したメルセデス・ベンツ「Gクラス」をも確実に上まわる。

大人気!

 ランドローバーがディフェンダーにモノコックを採用したのは、それでも十分な悪路走破性と耐久性をもたせることができると判断したからだろうし、そのことによって乗り心地を大幅に向上出来るうえ、軽量化(による燃費向上)にもつながるからだろう。このプラットフォームは次のレンジローバーやレンジローバー・スポーツにも使われるはず。ディフェンダーだけ頑固にフレームシャシーに固執する意味はあまりない。それにディフェンダーとて将来なんらかの電動化は避けられない。電動化に対応可能な設計が必要だったはずだ。

 現時点では悪路走破性を確かめていないので、まぁこれはフェラーリが速いかどうか、ロールス・ロイスが快適かどうか、プリウスの燃費がよいかどうかを心配するようなもので、いずれどう優れているかを確かめる必要はあるにせよ、あわてなくてもよい話。それよりも新型ディフェンダーが、とうとうオンロードでの快適性を獲得したことを真っ先に伝えたかった。

メーターパネルには、フルカラーのインフォメーションディスプレイ付き。
メーターパネルには、フルカラーのインフォメーションディスプレイ付き。
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 ジャガー・ランドローバー・ジャパンは昨年末の日本発表以来、2度にわたって台数限定の特別仕様車の予約を受け付けたところ、一切試乗の機会がなかったにもかかわらず、いずれもすぐに売り切れたという。その分のデリバリーが今秋にかけておこなわれる。これからの注文となると納車は年をまたぐ可能性が高い。もっとたくさん輸入すればよいじゃないか! と、思うだろうが、日本以外でも人気が高いようで、ここは待つしかない。

 ラングラーやGクラスのようにサイズ以外はそっくりオリジナルデザインを踏襲する手堅いモデルチェンジもあったはずだが、車名とは裏腹にかなり攻めたモデルチェンジに挑戦したディフェンダー。その挑戦はひとまず市場から大歓迎されたようだ。ぼくも最高に気に入った!

WLTCモード燃費は8.3km/L。
WLTCモード燃費は8.3km/L。
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 文・塩見智 写真・田村翔

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