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軽の四駆から電気自動車までクルマは群雄割拠--ミニバンの雄か、ラスト・サムライか

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 ガソリンエンジンから電気自動車へ、大きな変革の時代にある自動車業界。果たして「れいわ」のいま、選ぶべきはどのようなクルマなのか? アラフィフ自動車ジャーナリストの小沢コージ、河口まなぶ、河西啓介が、「れいわの定番カー」10台を選出した。

れいわの定番は?をテーマに、自動車ジャーナリストが白熱のクルマTALKを展開。定番カーを10台選出する。

オザワ いきなり言わせてもらいますが、“クルマの定番”っていうのは難しい! クルマって常にアップデートしなきゃならない商品だからね。10年も20年も乗るっていうのは、オレとしては考えられない。結局ミニとビートルとフィアット500が世界の“3大ベーシックカー”なんだけど、でもそれ言っちゃうと10年、20年前となんにも変わらない。“れいわ感”はないわな。イマドキの新型車って「iPhone」なんだよ。10年使うって考えられない。昔の「ウォークマン」なら使い続けてもいいだろうけど。アナログを楽しむっていうか。

カワニシ オザワさんの言う“3大ベーシックカー”に加えて、クロカン御三家のジープ、ゲレンデ(Gクラス)、レンジローバー。これで6台か(笑)。

カワグチ そこに加えるとしたら、ずっとアップデートし続けてきている定番モノ。Cクラス、3シリーズ、ポルシェ911。

オザワ でも、それを「定番」って言っちゃあ話はおしまいなんだよ。昭和も令和も変わらんない。

カワグチ ちっちゃいクルマの中で、「れいわの定番」と言えるのはミニかな。時代を越えてアップデートされ続けて、今やひとつのブランドになったよね。現行ミニはどのモデルを選んでも“定番”と言えると思う。ボクだったらミニのSUVと言える「クロスオーバー」を選ぶかな。とはいえ昔ながらのミニの“味”がほしいなら3ドアもいいと思う。

ミニクロスオーバーブランドへと昇華した「MINI」。4ドアのクロスオーバーはSUV並みのユーティリティを持つ。
ミニクロスオーバーブランドへと昇華した「MINI」。4ドアのクロスオーバーはSUV並みのユーティリティを持つ。
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オザワ どれも乗るとちゃんと“ミニらしさ”があるんだよな。古典とモダンのいい配分。オレは持ってるもん。ミニ コンバーチブル。

カワグチ ミニは大衆車ブランド最大の成功だと思う。それに対してVW(フォルクスワーゲン)の「ビートル」はミニほどのブランドにはなれずに終わっちゃったよね。

カワニシ ビートルは2019年をもって生産中止になると発表されました。ミニとの違いって、なんだったんでしょう?

オザワ ビートルはあの丸いカタチの呪縛というか、縛りがキツすぎたんだと思う。ビートルのワゴンってイメージできないじゃん? SUVなんかの派生モデルもつくりにくかった。対してミニは縛りがユルユルだったのが却ってよかったよね。ある意味なんでもアリ。

カワグチ ミニはひとつのブランドとして展開したのに対して、ビートルはあくまでVWのラインナップの中の1台。その差はあったんだと思う。

カワニシ では3大ベーシックのもう1台、フィアット 500(チンクエチェント)は?

オザワ チンクエチェントはモデルチェンジせずにもう10年以上つくり続けてる。要はフィアット・グループの金とアイデアが枯渇してるんだと思うけど、やっぱりミニほど今の生活にマッチしたバラエティ感は出せなかった。でも“好き”な人は多いんだよね。愛されキャラ。

カワグチ いかんせんプラットフォームがアップデートされてないし、安全装備もいまどきのスタンダードからはまったく遠い、というのが厳しい。「れいわの定番」には推せないかな……。

オザワ 惜しいね。フィアット 500とビートルは同じ、“ミニになりたいけど……”グループなんだよ。

VW ゴルフは「れいわ」でも定番になるか

カワニシ 大きいクルマでいうなら、メルセデス・ベンツ Gクラスは定番感がありますよね。

メルセデス・ベンツ Gクラス(C)MO
メルセデス・ベンツ Gクラス(C)MO
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オザワ これは定番でしょう。新型Gクラスは新型で見事に先代の地盤を受け継いだよね。じっさい乗るとまるでSLみたいなんだよ。快適だけど、ワイルド感は残してる。上手いと思うよ。

カワグチ Gクラスは買って損しないんだよね。先代もそうなんだけど、値落ちが少ない。言うことなしでしょ。

オザワ 同じような意味で新型ジープ ラングラーも間違いなく定番だよ。カッコよさは変えずに快適になった。まさにGクラス同様、モデルチェンジに成功したね。

ジープ ラングラー
ジープ ラングラー
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カワグチ 運転すると相変わらず「旧いクルマだなあ」と思うけど(笑)。

オザワ そこがいいんだよ! 確かにラダーフレームとリジッドサスペンションゆえの古典的な乗り味は残ってる。でもそのゴワゴワ感こそ魅力。「ジーンズはボタンフライじゃなきゃ」って言う人もいるんだよ。そういう人向け。

カワニシ とはいえ乗り心地はそうとうよくなってる。Gクラスとラングラーは今回のモデルチェンジでさらに魅力を増しました。そういう意味では定番入りでしょう。いま買っても絶対損はない。

カワグチ スポーツーカーの定番と言えば、やっぱりポルシェ 911は外せないかな。

ポルシェ 911(C)CB
ポルシェ 911(C)CB
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オザワ オレ的に言えば、さすがにスポーツカーとしては大きくなりすぎたとか、いろいろ思うところはあるんだけど、その歴史を考えれば自動車の大定番の座は揺るがないな。じっさいポルシェの販売の中心はカイエンとかマカンに移ってきてるけどね。

カワグチ 歴史やストーリーという意味では、VW ゴルフも入れておきたい。モデル末期だけど、いまだにかなり売れてるんだよね。ただもうすぐ出ると言われている新型ゴルフ8はどうなるかわからない。メインストリームはEVに譲らざるを得ないだろうから。

VW ゴルフ
VW ゴルフ
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オザワ オレは当分“二枚舌作戦”が続くと思うよ。EV戦略をやると言いながらエンジンを積んだゴルフの灯も消さないでしょう。

カワグチ VWとしては、ゴルフに使われている「MQB」プラットフォームは電動化には対応しないと言っているから、いずれ主役の座は降りることになるだろうけど、とはいえ現時点では依然、このクラスのベンチマークであるのは間違いない。ゴルフを選べば間違いないという点では定番でしょう。

カワニシ 「れいわの定番」ということを考えると、やはり電気自動車も入れておきたい気がしますよね。テスラは?

テスラ モデル3
テスラ モデル3
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カワグチ いいんじゃないかな。いちばん新しいモデル3はいい意味でフツーのクルマになったよ。モデルSが出たときみたいな驚きは感じないけど、逆に言えば定番化してきたと言えるんじゃない。

オザワ テスラの問題はクルマそのものよりも、「もしかしたら、来年はメーカーがなくなってるんじゃないか?」という心配をさせることだよ。まあ、なくなるってことはないにしても、ブランドごとどっかに買収されちゃうって可能性は十分にある。

カワニシ モデル3はサイズも価格もかなりリーズナブルになりましたよね。そういう意味ではEVの定番的存在になる可能性がありますね。

GT-Rは“ラスト・サムライ”になる

カワグチ なかなか国産車が出てこないけど、あえて言えばマツダ ロードスターかな。

マツダ ロードスター1989年のデビュー以来30年、世界のオープンカーの〝基準〟と言える存在になったマツダ ロードスター。写真は格納式ハードトップを備えた「RF」。
マツダ ロードスター1989年のデビュー以来30年、世界のオープンカーの〝基準〟と言える存在になったマツダ ロードスター。写真は格納式ハードトップを備えた「RF」。
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カワニシ 確かに。ロードスターは初代のNAから現行のNDまで、ぜんぶ定番にしてもいい。ほかに国産車だとプリウスは定番にならないですか?

オザワ プリウスはハイブリッドカーという存在を定番化させたという功績はあるけど、プリウス自体に定番感がない原因はデザインだよね。日本車は総じてデザインにプライドがない。時代によってどんどん変えちゃうじゃん。そういう意味でプリウスも後に残らないと思う。国産で残ると思うのはスズキの新型ジムニーかな。古典的なデザインに立ち戻ったのがよかったね。あれは“軽のGクラス”だよ。

スズキ ジムニー
スズキ ジムニー
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カワニシ トヨタだと、むしろアルファードのほうが「れいわの定番」になるんじゃないですか?

カワグチ 確かに日本だけじゃなくアジアでのアルファード人気はすごい。香港のタクシーはみんなアルファード。やっぱりあの“広さ”は強いんだよね。それでいて運転してもちゃんと走る。昔のミニバンと違ってドライバーが我慢を強いられることはない。

トヨタ アルファード
トヨタ アルファード
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オザワ 2列目シートを独立タイプの2座にしたエグゼクティブ仕様もあるし、もう完全に高級車。アルファードが凄いのは、世界的にみても突き抜けた存在だってことだよ。メルセデスにもBMWにもライバルになるクルマはないんだから。

カワグチ レクサス版アルファードを出したらバカ売れしそうだよね。

オザワ 定番と言うより“レジェンド”と呼びたいのは日産 GT-Rだよね。R35になって、もう何年つくり続けてる?

 日産GT-R

日産GT-R2007年からモデルチェンジせずつくり続けられる日産「GT-R」。写真のNISMO仕様は2420万円也。
日産GT-R2007年からモデルチェンジせずつくり続けられる日産「GT-R」。写真のNISMO仕様は2420万円也。
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カワグチ 12年です。しかも次はないんだから。まさに“ラスト・サムライ”なんですよ。このまえ2020年モデルのNISMOバージョンに乗ったけど、かなり進化してた。最新のスーパースポーツとタメ張れるぐらいの走行性能を持ってるし、それでいて静かで快適。ただしニスモ版だと値段は2500万円ぐらいするけどね。

カワニシ 買って損はないでしょう。床の間に飾っておいてもいいぐらい。

オザワ 果たしてこの先どこまで延命できるかわからないけど、確かにGT-Rは日本の誇る定番と言っていいと思うよ。

Keisuke Kawanishi

河西啓介 エディター

 『NAVI』編集部で修業し、『MOTO NAVI』、『NAVI CARS』の編集長を務めた後フリーランスに。クルマは新しいのより旧いほうが、高級なのより庶民的なほうが、快適なのより不便なほうが好きな1967年生まれ。

Koji Ozawa

小沢コージ 自動車評論家

 テレビ、ラジオ、雑誌と縦横無尽に活躍する“バラエティ自動車評論家”。忖度なし、空気を読まずにズバリと斬る率直な語り口は読者からの信頼も厚い。サッカーで痛めた足の傷がなかなか癒えない1967年生まれ。

Manabu Kawaguchi

河口まなぶ モータージャーナリスト

 10余年前から自動車動画投稿を始め、現在では15万人の登録者を誇る動画チャンネル「LOVECARS」を主宰する、業界唯一の“ユーチューバー自動車ジャーナリスト”。スイムとランニングが日課の1970年生まれ。

Words 河西啓介 Keisuke KawanishI

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