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SUVのカタチをしたスポーツカー【BMW X3 M コンペティション試乗記】

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 BMWのミドルクラスSUV「X3」に、BMW M社が手がけたハイパフォーマンスモデルが追加された。標準モデルとの違いはいかに?

X3との違いは?

 速いSUVというより、SUVのカタチをしたスポーツカーとも言うべきモデルがBMW「X3 M」だ。新設計の直列6気筒エンジンを搭載し、かつ敏捷な運動性能も群を抜く。個性の面でもエクストリームなモデルである。

 X3 Mは、2019年7月に日本で販売開始された。「サーキット走行のために開発した」と、メーカー自身が謳うだけあって、まるでスポーツカーのように走れるところが最大の特徴だ。

【主要諸元】全長×全幅×全高:4730mm×1895mm×1675mm、ホイールベース:2865mm、車両重量:2030kg、乗車定員:5名、エンジン:2992cc直列6気筒DOHCツインターボ(510ps/6250rpm、600Nm/2600~5950rpm)、トランスミッション8AT、駆動方式:4WD、タイヤサイズ:フロント255/40ZR21、リア265/40ZR21、価格:1394万円(OP含まず)。(C)Sho Tamura
【主要諸元】全長×全幅×全高:4730mm×1895mm×1675mm、ホイールベース:2865mm、車両重量:2030kg、乗車定員:5名、エンジン:2992cc直列6気筒DOHCツインターボ(510ps/6250rpm、600Nm/2600~5950rpm)、トランスミッション8AT、駆動方式:4WD、タイヤサイズ:フロント255/40ZR21、リア265/40ZR21、価格:1394万円(OP含まず)。(C)Sho Tamura
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ブレーキ・キャリパーはMのロゴ入り。(C)Sho Tamura
ブレーキ・キャリパーはMのロゴ入り。(C)Sho Tamura
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LEDヘッドライトは、自然光に近い光を前方の路面に均一に照射。視認性を向上させたという。(C)Sho Tamura
LEDヘッドライトは、自然光に近い光を前方の路面に均一に照射。視認性を向上させたという。(C)Sho Tamura
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 シルエットはまんまSUVのX3だし、長めのホイールベース(2865mm)を活かしたパッケージによる余裕ある室内空間も変わらない。家族4人で悠々とドライブ出来る実用性に富んでいる。いっぽう、ワインディング・ロードを走るときは、ピュアスポーツカーの「Z4」に迫るのでは? と、思わせる性能が味わえる。

 私が乗ったのは、「コンペティション」と呼ぶモデル。最高出力480ps(353kW)を発揮する標準モデルに対し、最高出力510ps(375kW)を発揮するエンジンを搭載する。

静止状態から100km/hまでに要する時間は4.1秒。(C)Sho Tamura
静止状態から100km/hまでに要する時間は4.1秒。(C)Sho Tamura
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搭載するエンジンは2992cc直列6気筒DOHCツインターボ(510ps/6250rpm、600Nm/2600~5950rpm)。(C)Sho Tamura
搭載するエンジンは2992cc直列6気筒DOHCツインターボ(510ps/6250rpm、600Nm/2600~5950rpm)。(C)Sho Tamura
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 X3 Mは、一般道では充分すぎるほど速い。操縦する楽しみを追究してきたBMW的なSUVは、まさにこれだ! と、思える完成度である。

 600Nmもの最大トルクを2600rpmから発生する設定だけあって、2トンを少し超える重めの車重(2030kg)をいっさい感じさせないダッシュ力だった。また、1675mmの全高を意識させないボディのロール制御技術もよい。

8速 Mステップトロニック・トランスミッションは、3つのシフト・プログラムから選べる。(C)Sho Tamura
8速 Mステップトロニック・トランスミッションは、3つのシフト・プログラムから選べる。(C)Sho Tamura
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最小回転半径は5.8m。(C)Sho Tamura
最小回転半径は5.8m。(C)Sho Tamura
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「ハーマン/カードン」のサウンド・システムは標準(600W、16スピーカー)。(C)Sho Tamura
「ハーマン/カードン」のサウンド・システムは標準(600W、16スピーカー)。(C)Sho Tamura
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 2992ccの直列6気筒ユニットは、通常のBMW車用と異なる。BMW M社が開発したものだ。たとえば、シリンダーヘッドのヘッドコア成形型には、3Dプリント技術を使うことで、従来の金属加工技術では困難だった複雑な形状成形を実現したという。また、軽量化とともにクーラントダクト配置の自由度が高まり、「より効率的な温度管理が可能になった」と、メーカーはうたう。

 さらに、高圧燃料噴射の噴出圧力が、従来の200バールから350バールへと引き上げられた。結果、燃焼効率を大幅に改善したそうだ。

 従来からBMW Mモデルのエンジンに採用されている吸気ダクト(圧力損失を最小限にするよう設計されている)や、2基のターボチャージャーも装着。サーキット走行を意識した内容になっている。

乗り心地は硬い!

 走りにとどまらず、ルックスも迫力満点だ。ブラックに塗られたキドニーグリルと深いエアダムの組合せは、高速道路をいくとき、先行車がすかさず道を空けてくれたのを見ると、充分にこのクルマの内容をあらわすはたらきをしていると思う。

 さらに、直径100mmと太い4本のテールパイプ、ボディ側面のサイドギル、そして21インチの大径アルミホイールにいたるまで、ブラックが効果的に使われている。

 ユニークなのは、ステアリング・ホイールのスポーク部左右に設けられた赤いスウィッチ「M1」、「M2」である。

 走行状況あるいは自分の気分に応じて、赤いボタンで「M1」と「M2」という個人の走行設定(エンジンやサスペンション特性など)を適宜呼び出せるのである。こういうのは遊びといえば遊びかもしれないが、さすが高級スポーツSUVらしい余裕ある遊び心であると思う。

BMW M専用のスポーツシートは電動調整式。(C)Sho Tamura
BMW M専用のスポーツシートは電動調整式。(C)Sho Tamura
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リアシートはヒーター&リクライニング機能付き。(C)Sho Tamura
リアシートはヒーター&リクライニング機能付き。(C)Sho Tamura
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リアシート専用のエアコン制御パネル。(C)Sho Tamura
リアシート専用のエアコン制御パネル。(C)Sho Tamura
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(C)Sho Tamura
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 太いグリップのステアリング・ホイールや、アクセルペダルの踏み込みに敏感なエンジンの回転フィール……走り出しからして、スポーツカーの乗ったときのようなぞくぞくした気分が湧き上がってくる。英語でいうところの”スリル”があるのだ。

 サーキット走行をはじめ、“走り”を徹底的に追究しているぶん、多少のネガもある。それは乗り心地だ。ひとことでいって、かなり硬い。ドライブモードセレクターで「スポーツ」を選択すると、硬いながらも、ダンピングがびしっと効き、不必要(と思われる)上下動が収まる傾向にあるけれど、それでも、同乗者は快適とは思わないはず。

 ただしドライバーは、M専用のバケットタイプのシートに身を落ち着けていれば、最高の気分。乗り心地は関係ない。結局、フロントシート重視の、まさにSUVのかたちをしたスポーツカーであるのだ。もちろん、実用性は相当高いが。

 X3 Mの価格は標準モデルで1292万円、コンペティション仕様で1394万円だ。

 文・小川フミオ 写真・田村翔

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