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プロパイロット2.0は信頼に足るシステムだと思う--新型スカイライン試乗レポート

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 日産のトレードマークとも言えるスカイラインがこの度マイナーチェンジ。初代から数えて62年目となる今年、自動車史的にも注目すべきなのが「プロパイロット2.0」だ。ナビと連動し高速道路の出口まで、手放しでの運転が可能という触れ込みのこの機能を、中央道で吉田匠が確かめた。

日産のデザインポリシーを反映し、ややスカイライン味が薄れたような印象もあるフロントマスク。
日産のデザインポリシーを反映し、ややスカイライン味が薄れたような印象もあるフロントマスク。
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マイナーチェンジの意外な見所

 スカイラインといえばかつての日産の超がつくほどの人気モデルで、なかでも幾多のレースで活躍したGTやGT-Rの存在が、熱烈なファンを数多く獲得していた。ただし2007年登場のR35型GT-R以降、GT-Rはスカイラインから離れて単独モデルになったため、スカイラインの存在感は以前ほど鮮明ではなくなっていた。

 そこに、もともとは日産と合併する前のプリンスによって1957年に生み出された初代スカイラインの登場から数えて62年目にあたる今年、マイナーチェンジした新型が発表された。パワートレーンは3.5リッターV6+ハイブリッド、3リッターV6ツインターボ、それに後者を405?までチューンした400R仕様の3種類。

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 今回そのなかから試乗したのは、V6+ハイブリッドのトップモデル、GTタイプSPの2WD仕様だった。このモデルの最大のウリは、TVコマーシャルでもアピール中の高速道路でのハンズオフ、つまりステアリングから両手を放して走ることが可能な運転支援システム、『プロパイロット2.0』を標準装備していることにある。

 そこでまずは、それを使うとどういうことができるのか、について報告してみよう。このハンズオフ走行をするためには、幾つかの条件がある。まずは走る場所が、3D高精度地図データの整備された、中央分離帯のある高速道路上であること。もうひとつの条件は、その道路の制限速度内で走ること、となっている。

全長4810mm、全幅1820mm、全高1440mmと、ロー&ワイドなプロポーション。価格は427万4640円から。試乗車のGTタイプSPは604万8000円。
全長4810mm、全幅1820mm、全高1440mmと、ロー&ワイドなプロポーション。価格は427万4640円から。試乗車のGTタイプSPは604万8000円。
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 つまり、車載のナビゲーションシステムで目的地を設定し、そこまでの高速道路上で設定された出口までの運転を支援する、というのが本来の使い方だろう。

プロパイロット2.0を作動させている様子。車線変更などもほぼ自動で行えるが、あくまで運転支援装置なのでいつでもハンドルを操作できるように備える必要はある。
プロパイロット2.0を作動させている様子。車線変更などもほぼ自動で行えるが、あくまで運転支援装置なのでいつでもハンドルを操作できるように備える必要はある。
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虎の子の「プロパイロット2.0」、その実力は?

 スカイライン試乗会の起点は河口湖だったので、河口湖ICから中央道富士吉田線に乗って大月方面に向かい、次の都留ICまで『プロパイロット2.0』を駆使して走ってみた。まずはステアリングホイール右側のスポークにセットされたスイッチ類を操作して、プロパイロットをアクティブにする。

センターコンソールには、8インチと7インチのツインディスプレイを配置する。上部では地図や燃費情報などを表示。ステアリングスイッチで操作できる機能の情報も表示される。ナビなどは下部のディスプレイで操作する。
センターコンソールには、8インチと7インチのツインディスプレイを配置する。上部では地図や燃費情報などを表示。ステアリングスイッチで操作できる機能の情報も表示される。ナビなどは下部のディスプレイで操作する。
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 次はスピードの設定だが、これはメーター誤差などに配慮して制限速度の10km/h強オーバーまでの設定が可能だという。中央道のこの区間は法定速度が80km/hなので、およそ90km/hに設定。そこでスロットルペダルから足を放し、同時にステアリングホイールから両手を放す。

 するとスカイラインGTタイプSPは、あくまでメーター上で90km/h前後のスピードを保ちながら、中央道のカーブに沿って走行車線を走っていく。とはいえ舞台はあくまで高速道路だから、カーブはすべて緩やかで、ワインディングロードのようなきついコーナーは存在しない。

メーターパネルでは、プロパイロット2.0の状態が確認できる。写真のようにステアリングのアイコンがブルーになっていると手放し運転が可能になる。
メーターパネルでは、プロパイロット2.0の状態が確認できる。写真のようにステアリングのアイコンがブルーになっていると手放し運転が可能になる。
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 だから当然といえば当然ではあるけれど、クルマが車線を逸脱しそうになる気配は皆無で、危うい感じはまったくない。日産のこのシステムは、車線の中央を走るようにセットされていることもあって、カーブでクルマがセンターラインやガードレールに近づいていって、思わず自分でステアリングを操作したくなるような事態に陥ることもない。

 だからたしかに、ステアリングから両手を放してもクルマは危なげなく走っていくが、だからといってその両手でスマホを操作しようなどと思ってはいけない。ダッシュ上にセットされた赤外線カメラがドライバーの顔を監視し、視線が前方を見ていない状態が続いているのを察知すると、ディスプレイに警告が出るのだ。

プロパイロット2.0操作用のスイッチ。青いマークのボタンを押せばプロパイロット2.0が作動する。上部の矢印マークのボタンは車線変更を提案された際に承認するために使う。
プロパイロット2.0操作用のスイッチ。青いマークのボタンを押せばプロパイロット2.0が作動する。上部の矢印マークのボタンは車線変更を提案された際に承認するために使う。
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 スマホの操作はもちろんご法度だが、ステアリングホイールから両手を放すことによるメリットは、実際には特にないといっていい。だから、ステアリング操作を完全にクルマに任せているときでも軽くステアリングリムに手を添えているのが、最も適切なドライビング方法だろうと思う。

スカイラインに搭載するエンジンは3種。3.5?V6エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドと、3?V6エンジン(前者は最高出力306psで、最大トルクは350Nm、後者は最高出力304psで、最大トルクは400Nm)にくわえ、強化版の3.5?V6エンジン(最高出力405ps、最大トルク475Nm)が特別仕様車の400Rのために用意されている。
スカイラインに搭載するエンジンは3種。3.5?V6エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドと、3?V6エンジン(前者は最高出力306psで、最大トルクは350Nm、後者は最高出力304psで、最大トルクは400Nm)にくわえ、強化版の3.5?V6エンジン(最高出力405ps、最大トルク475Nm)が特別仕様車の400Rのために用意されている。
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法定速度が難問か?

 それに加えて『プロパイロット2.0』は、走行車線を走っている遅いクルマに追い付いたら、ドライバーの判断で車線変更してそれを追い越し、再び走行車線に戻ることも自動的にやってのけるとされている。しかしこの日の試乗では、それを試すことができなかった。

 ほぼ法定速度といえるメーターの90km/h前後で走っていると、すべてのクルマに追い越されて、自分より遅いクルマに遭遇することがなかったのだ。つまり、法定速度がいかに現実離れしているか、思い知らされたといえる試乗だったといえる。

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 さらに『プロパイロット2.0』は、インターチェンジから下に出る際にも、操作をシステムに任せることができるという。しかしこれに関しては、こちらが操作に不慣れだったためもあってか、機械任せで出たいインターからスムーズに出るのは難しかった。慣れればこれも可能になるのだと思う。

 というわけで、『プロパイロット2.0』に関していえば、かなり信頼に足る運転支援システムだという印象をうけた。つまり、日曜日の夕方にリゾートから家路に向かう際の高速道路などでこれを巧く駆使すれば、ドライバーの心身の疲労はかなり軽減されるのではないかと思う。

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新鮮味は薄いが熟成している

 では、クルマとしてのスカイラインGTタイプSPはどうだったのか、という点に話を進めると、その印象もなかなか良好だった。まずボディ剛性が充分に確保されているのを実感できるし、その恩恵もあって、やや硬めのサスペンションにもかかわらず乗り心地も快適なものに感じられた。

 ただし、今回のモデルチェンジはパワーユニットの変更と『プロパイロット2.0』に代表される電子制御系の進化が主なもので、プラットフォームその他の機械的な部分にはほとんど手が入れられていないという。とはいえ、前モデル発表直後の試乗では違和感のあった、ドライブバイワイア方式のステアリングの操舵感が明らかに向上しているなど、細かい煮詰めの跡がうかがえる。

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 306?を発生する3.5リッターV6自然吸気エンジンと、68?の電気モーターを組み合わせ、7段ハイブリッドトランスミッションを介して1840kgの車重を走らせるパフォーマンスも、このカテゴリーのサルーンとして充分なものに感じた。

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 この新型スカイラインGTタイプSP、『プロパイロット2.0』以外の部分での新鮮味は正直なところ薄いが、それだけに熟成されたクルマに仕上がっている印象をうけた。発表以降の受注は良好に推移しているというが、旧来からの熱烈なスカイラインファン以外の心を掴めるかどうか、そこが課題かもしれない。

 文・吉田 匠 写真・花村 編集・iconiC

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