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「いだてん」、ラストスパートなるか 視聴率低迷も専門家「傑作」 裏番組・ラグビーW杯、出演タレント不祥事…

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 2020年東京五輪・パラリンピックを盛り上げるはずだったNHKの大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」が、相次ぐ苦難に見舞われている。ラグビーワールドカップ(W杯)の影響で、10月13日の視聴率が3・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と最低記録を更新したことに続き、出演者の不祥事も新たに発覚。再編集で時間を短縮して放送される事態となった。(森本昌彦)

 「いだてん」は、日本人初の五輪選手として知られるマラソンの金栗四三(かなくり・しそう)(中村勘九郎)らを中心に、日本人の五輪への挑戦を描いたドラマ。来年の東京五輪・パラリンピックを強く意識した作品だった。

 新たに問題となっているのは、3日放送の第41回から出演したお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さん(44)。徳井さんの個人会社が、東京国税局から約1億2千万円の申告漏れを指摘された問題が発覚し、民放各局などが徳井さんの出演見合わせや、番組降板などを相次いで発表していた。

 「いだてん」は全編の収録が終了して撮り直しができないうえ、徳井さん演じる日本女子バレーボールの大松博文監督はドラマで重要な役割を占める。このため、NHKは3日の放送を再編集。徳井さんの出演シーンはカットしきれず、通常より1分短い42分の放送となった。

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 こうした苦しい対応を迫られる“不運”以前に、番組の視聴率は低空飛行が続いた。

 「全国の注目を浴びていた番組が裏にあったので、視聴率としては大変厳しい結果になった」。10月23日の定例記者会見。NHKの木田裏番組・ラグビーW杯、出演タレント不祥事…幸紀放送総局長は「3・7%」についてこう説明した。

 同月13日、ラグビーW杯の日本対スコットランド戦が日本テレビで放送され、39・2%の平均視聴率を記録。20日の日本対南アフリ戦は、NHKがBS1から総合などでの放送に変更し、いだてんは放送休止となった。

 いだてんは1月の初回視聴率15・5%と、例年の大河ドラマと遜色ない数字でスタート。しかし、わずか1カ月後の2月には1桁台に落ち込み、4月にはそれまでの大河の最低記録だった「平清盛」(平成24年放送)の7・3%を下回る7・1%に。

 低迷の背景には、人気のある戦国武将などと違って、登場人物になじみが薄い▽ドラマ中に時代転換があって話が分かりにくい▽裏番組に「ポツンと一軒家」(テレビ朝日)という中高年層まで取り込む人気番組がある-などが指摘されている。

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 一方で、いだてんを見続けている人は、おおむね高評価を下している。

 「視聴者、作り手の世代交代という面で、大河ドラマの歴史に刻まれるほどの素晴らしい作品」と評価する同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)もその一人。最低視聴率を記録した日の放送も内容は良かったとし、「ラグビーを熱く支持している層は、大河を見る中高年層と重なり、視聴率に大きな影響が出たのではないか」と話す。

 ドラマの展開に変化があった後半に入っても視聴率の回復とはならなかったことに、影山教授は「視聴者の辛抱強さが薄れてきており、早めに心を動かしておく必要があった」と話す。「いだてんは、序盤のつかみの部分で万人に支持されにくかったことが後の数字にも響いたのではないか。初めの頃に大きなヤマ場を持ってきていたら違った展開になったかもしれない」と分析した。

 2週ぶりの放送となった10月27日の平均視聴率は7・0%、今月3日は6・6%だった。ドラマは12月15日放送(第47回)で最終回を迎える。最終盤に向けてラストスパートがかかるか、注目されている。

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