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サムライ・アーティストの島口哲朗氏が伊で芸術賞、「武士道表現へ精進」

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剱伎衆かむゐ代表の島口哲朗氏=11日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)
剱伎衆かむゐ代表の島口哲朗氏=11日午後、東京都千代田区(納冨康撮影)

 米ハリウッドの人気映画「キル・ビル」(タランティーノ監督)に出演、殺陣指導・振付を担当したサムライ・アーティスト、島口哲朗氏(48)=埼玉県出身=がこのほど、イタリア・フィレンツェ市の国際的な文化芸術賞を日本人として初めて受賞した。島口氏は10月31日の授賞式を前に、英文ニュースメディア「JAPAN Forward」の取材に応じ、「受賞は光栄なこと」と喜びを語るとともに、「日本の武士道の精神を芸術として表現できるよう、精進したい」と話した。(内藤泰朗)

 袴のような黒いズボンに足袋のようなスニーカーをはき、長めの麻のジャケットをはおる。手ぬぐいで覆った頭には、後ろ前に被ったハンチング帽。Tシャツにまで「和」のテイストが漂っていた。

 「この後に、舞台の合わせがあるんです」

 舞台用の刀も持参しており、帽子を脱げば、そのままの姿で現代的なサムライ演舞ができるのではないかと思えるほどだ。サムライ・アーティストは、実に独特ないで立ちで現れた。

 島口氏が受賞したのは、フィレンツェ市などが後押しし、2012年に始まった「プレミオ・コンソナンゼ」と呼ばれる新しい文化芸術賞だ。イタリアのトスカーナ地方とフィレンツェに影響を与えた創造的でビジョンのある事業に対して毎年贈られるという。

 賞を主催するコンソナンゼ協会のアルブスティ会長は「島口氏はサムライをベースにした舞台芸術を発明した」と称賛し、「彼はトスカーナとフィレンツェに多くの友人を持ち、長年にわたり文化・芸術面で多大な貢献をしてきた。この賞がさらなるイタリアと日本の交流拡大や芸術活動の一助となるのであれば、喜ばしいことだ」と受賞理由を語った。

 31日には、フィレンツェで授賞式が行われ、島口氏がサムライ・パフォーマンスを披露する予定だ。

 島口氏が芝居と武術を融合し、形式美にこだわったサムライ・アーティスト集団「剱伎衆かむゐ(けんぎしゅう・かむい)」を創設したのは20年前。だが、周囲からは「何をやってるんだ」と冷たい目で見られ、時代劇にもなかなか使ってもらえず、アルバイトをしてやりくりしていた。

 転機が訪れたのは、2002年に撮影された映画「キル・ビル」の振り付け役に抜擢され、自らも映画に出演したことだった。

 実は、この4年ほど前、島口氏は日本に仕事がないならば、海外に出ようと考え、ロサンゼルスに渡り、PRを兼ねて何度かストリート・パフォーマンスをやっていた。その演技を、タランティーノ監督が見ていた。

映画のオーディションで、監督は島口氏の採用を即決、当初は振り付けだけだったのが、監督の要望で映画にも出演することになったのだ。

 映画の振り付けが話題となり、舞台への出演依頼が世界から次々と舞い込むようになった。米国公演に次いで、イタリア国立ペルゴラ劇場での公演やヴェッキオ宮殿での演舞、ロシア国立エルミタージュ美術館などの欧州ツアー、さらに、中東ドバイでは、王族を前に演舞を披露するなど、世界を舞台に駆け巡る。

 さらに、日本以外にも、イタリアやポーランド、米国、リトアニアなどで、サムライ・アートを学ぶ独自の道場も設立。教育や後進育成にも励んでいる。

 島口氏は「日本人アーティストとしてこれからも世界でパフォーマンスをしっかりとやっていきたい。サムライ・アート以外にも、世界から尊敬される、さまざまな分野の日本文化を集め、見せていくワールドツアーをやるのが夢」と話している。

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