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【動画】神楽と西洋音楽が融合 カウンターテナー、本岩孝之さんが「縄文神楽」に挑戦

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カウンターテナーの本岩孝之さん(石山社中提供)
カウンターテナーの本岩孝之さん(石山社中提供)

 日本の伝統芸能「神楽」と西洋歌劇が27日夕、東京・池袋で融合する。上演されるのは「奉 縄文神楽」(たてまつる じょうもんかぐら)。幅広い音域で知られるカウンターテナーの第一人者が縄文神楽の舞台に登場、舞と笛、太鼓などに混じって神代の物語を高々と歌い上げるのだ。芸術の秋、和洋トップ同士による奇跡のコラボが実現した。(高原大観)

 「西洋音楽の声楽を専攻し、その中で活動してきましたが、『縄文神楽』に挑戦するとは予想できませんでした」。こう話すのはカウンターテナー歌手の本岩孝之さんだ。

 本岩さんは東京藝術大学声楽科を卒業し、カウンターテナー歌手としてテレビやラジオの音楽番組レギュラーや、国内外でのコンサート出演など幅広く活動を続けてきた。動画サイトのYou Tubeでも、シューベルトの「魔王」を一人で父親と子供のパートを歌ったものが話題となった。現在は拠点を山梨に移し、コンサートでは4オクターブの幅広い音域をいかした歌声が人気だ。

 「縄文神楽」とは神楽の中でも民間を中心に広まった里神楽をベースにしたもので、上演する無形文化財武州里神楽「石山社中」の十世家元・石山裕雅さんが考案した。石山さんは演目の作詞と作曲を担当した。神楽は基本的には舞と笛、太鼓などが主要な部分を担うが、「縄文神楽」では従来の形式に加え、歌の役割を増やすことで伝統を踏襲しつつ新たな形を生み出した。

 発声の方法も西洋音楽とは異なる。本岩さんは「当初は自分の歌唱方法をどのように縄文神楽になじませるか試行錯誤し、日本の伝統音楽を意識していました。しかし、偶然目にした薪能の舞台で、ベルカント唱法(西洋音楽の歌唱法の一つ)に似た歌い方をしている演者がおり、融合へのヒントになりました」と話す。

 石山さんは「本岩さんとは共通の知人を通じて偶然知り合いましたが、すぐに『この人と一緒に上演したい』と思いました。縄文時代は1万数千年続き、その間大規模な争いはほとんどなかったという説があります。母親が子供の足形をかたどった土器も見つかっており、家族への愛情が見られます。我々の先祖は狩りだけをしていたのではなく、愛情豊かな人たちだったのではないでしょうか」と話す。

 また、「縄文時代には以前から関心がありました。神楽の起源は大自然を崇拝していた太古の縄文にさかのぼるという説があります。そこで、縄文時代をテーマに神楽を上演し、西洋の声楽と融合させようというインスピレーションが生まれました。カウンターテナーとして活動されてきた本岩さんだからこそ西洋音楽と神楽を融合させ、新たな息吹を吹き込んでくれると考えました」と話した。

 本岩さんは「縄文時代は現代に比べて文明は発達しておらず、日々生きることに必死だったかもしれないが、現代よりも心豊かに暮らしていたのかもしれない。日本人には平和を尊び、家族を大事にして心豊かに暮らす性質が脈々と受け継がれているのではないかと思います。当日はお客さまが平穏な心になるようパワーを届けたい」と話す。

 縄文神楽は27日、東京都豊島区池袋の自由学園明日館で18時30分開場、19時開演。料金は前売り3500円、当日券は4000円。学生、外国人は2000円。問い合わせは事務局nqb34331@jcom.zaq.ne.jpか、090・3576・4631。

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