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【ZOOM】2時間ドラマ栄枯盛衰 視聴率低迷、消える放送枠 シニア層狙いBSへ

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2時間ドラマ栄枯盛衰 視聴率低迷、消える放送枠 シニア層狙いBSへ

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6月5日放送のTBS「警視庁機動捜査隊216VII 悪意の果て」より。主演の沢口靖子(中央)ら 1/2枚

 サスペンスやミステリーとしてお茶の間で人気を博した「2時間ドラマ」が地上波から姿を消しつつある。最盛期の昭和60年代から平成初期にかけては20%前後の高視聴率を獲得していたが、近年は1桁台にまで落ち込み、民放各社は相次いで放送枠の縮小にかじを切った。一方、シニア世代の視聴者が多いBS放送では再放送を主力コンテンツに据え、ファンの取り込みにつなげている。(三宅令)

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◆費用対効果…

 テレビ朝日の2時間ドラマ枠「土曜ワイド劇場」は4月の番組改編で40年の歴史に幕を下ろした。4月以降は、日曜午前のドラマ枠「日曜ワイド」に移ったが、土曜ワイド劇場の再放送が多いのが実情だ。

 土曜ワイドの放送開始は昭和52年。2時間ドラマの草分けとして、市原悦子主演の「家政婦は見た!」(昭和58~平成20年)や、渡瀬恒彦の「タクシードライバーの推理日誌」(平成4~28年)などの作品を世に送り出した。

 2月には、船越英一郎の「刑事吉永誠一 涙の事件簿」(16~28年)などを生んだテレビ東京の「水曜ミステリー9」も放送を終了している。

 黎明(れいめい)期には「お茶の間で見られる映画」として人気を博

し、最盛期には週7~8本が放映されるなど各局の競争が激化。風光明媚(めいび)な名所での殺人、高所から突き落とす殺害方法-など「お決まり」の定着は、各局が安定的に視聴率を得られる内容を選んだ結果だ。しかし、レンタルビデオ店の増加やインターネットの動画配信サービスの普及に伴い、コンテンツとしての魅力が薄れていった。

 上智大の碓井広義教授(メディア文化論)は「時代の変化や内容の陳腐化、ファンの高齢化などで視聴率は低下。数千万円の予算と数カ月単位の時間をかけて制作するには費用対効果が悪くなった」と指摘する。

◆午前午後2枠

 連続ドラマと比べると、スポンサーとなる企業側の考えも見えてくる。2時間ドラマの視聴者の中心は50代以上であるのに対し、連ドラは20~40代。就職や結婚などで大型家電や住宅の購入など消費が増える時期で、「企業として2時間ドラマ枠よりも広告を出す価値がある」と碓井教授は分析する。

 しかし、2時間ドラマがコアなファンを抱えているのも事実だ。放送を終了した土曜ワイド劇場も「視聴者から惜しむ声がある」(早河洋テレ朝会長)。2時間ドラマファンという主婦(58)=横浜市=は「毎週欠かさずみていたのに残念。ストーリーを先読みできるけれど、安心してみていられるところがいいのに」と嘆く。

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  • 7月5日放送のテレビ東京、堂場瞬一サスペンス「検証捜査」より。主演の仲村トオル(右)ら