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【インタビュー】おもしろい記者の個性、引き出せる番組作りも フジテレビアナウンサー・境鶴丸さん(下)

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おもしろい記者の個性、引き出せる番組作りも フジテレビアナウンサー・境鶴丸さん(下)

インタビュー更新

 フジテレビのニュースを伝えているアナウンサー、境鶴丸さん(51)は地上波以外でも活躍している。フジテレビがインターネットなどで発信する専門局「ホウドウキョク」で毎週金曜午後、ニュースの解説番組を担当しているのだ。

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 スタジオに解説委員やゲストを招き、1つのテーマについて25分ほど説明する。

 12月のある週のテーマの一つは「電力の小売全面自由化」。来年4月からの自由化の概要を丁寧に解説していた。ゲストの弁護士が契約の際に留意する点を挙げ、「より快適な電気生活を送ってほしい」と説明すると、境さんが「『電気ライフ』という発想はなかったですね」と笑顔で受け、解説委員も「ドライヤーをいつの時間帯に使っているか、なんて考える必要があります」と話した。

 「地上波のニュースは時間が短い。ホウドウキョクはトーク中心で、長い時間放送できるのが特徴です。ラジオみたいで楽しい」

 ホウドウキョクには多くのフジテレビ報道局の記者や解説委員が登場。ニュースでは見られないような表情が出たりする。「記者がこんなにおもしろい個性を持っているとは知らなかった。話したいこともいっぱいあると感じます。地上波のニュースは制約が多くて、おもしろさを出せていない。もっと記者の個性を出せたら楽しいですよね」

 自由が好きなのは、表現を追求した、若い頃の経験からだろう。

 同居の叔母が日舞の先生で、中学3年まで日舞を習った。高校3年で将来を考えたとき、「自分は歌舞伎役者のような顔立ちで名前も鶴丸、日舞ができる。時代劇俳優になろう」と、俳優養成機関「緑山塾」に1年間、通った。超難関といわれた塾で表現方法を勉強したが、才能に見切りをつけ、俳優は断念。2年遅れで大学に入った。それでもエンターテインメントの世界で働きたいとフジテレビを受験。事業部志望だったが、練習のつもりで受けたアナウンサー試験に通って今に至る。「アナウンサー志望ではなかったのでプレッシャーがなく、試験で自由にできたのが良かったです」と述懐する。

 アナウンサーという表現者としても、「生き生きとした表情」を心掛けている。アナウンサー志望の大学生にはこう話すという。「特別な経験は必要ありません。あなたが生き生きと話せる材料をいくつ持っているか、です」

 ≪お茶タイム≫

 ■観劇で自分をリセット

 俳優を目指したこともある境鶴丸さんが大好きなのが観劇だ。歌舞伎や舞台に足しげく通う。

 最近見たのは、新橋演舞場で行われていた「スーパー歌舞伎II ワンピース」。妻と見に行き、あんまりおもしろいので2人の息子(大学3年と中学3年)にも薦めたくらいだ。

 蜷川幸雄さんや野田秀樹さんが演出する舞台、「劇団☆新感線」などによく行く。「基本的に演出家で選びます。舞台のチケットは結構高価なので、つまらなかったら落ち込んでしまう。慎重にいきます」。芝居好きの仲間が薦める舞台を見ることもある。

 「アナウンサーは仕事の出来、不出来を自分で客観的に判断して改善していかなければならないので、精神的に疲れますし、不安感も常にあります。観劇でパワーをもらって、自分をリセットしています」