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【インタビュー】ニュースを読む奥深さ、一朝一夕にはできない フジテレビアナウンサー・境鶴丸さん(上)

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ニュースを読む奥深さ、一朝一夕にはできない フジテレビアナウンサー・境鶴丸さん(上)

インタビュー更新

 土日夜のフジテレビ「FNNニュース」で、週末のできごとを伝えているアナウンサー、境鶴丸さん(51)。入社以来、主に情報番組で活躍し、報道に移って15年。ニュースキャスターとして、数々の事件・事故、災害を伝えてきた。

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 最初の報道番組は夕方に放送されていた「スーパーニュース」。平成12年、安藤優子さんの登板と同時に新設された「文化芸能部」を担当した。「報道といっても、それまでやっていた情報番組でも伝えていた芸能分野だったので、すんなり移れました」。報道番組にワイドショーの要素を取り込んだ先駆的な試みで、人気を博した。

 14年に「スーパーニュースWEEKEND」のキャスターとして番組を背負い、本格的に報道デビューを果たした。違いを体感したという。「情報番組はアナウンサーに任せる部分があった一方、報道番組は話すことに制約が多く、時間も短い。最初は窮屈に感じましたが、全く新しい環境で新鮮でした」

 情報番組で長年経験を積んだとはいえ、報道では新人。ゼロから始めるつもりで取り組んだ。30分間のニュース番組を務め始めて、改めて「ニュースを読む」ことの奥深さを知った。

 「中身を理解していないと、どんなに滑舌が良くても『原稿を読まされている』ように聞こえてしまいます。同じ原稿を読んでもベテランとは違う。原稿を読むことは一朝一夕にはできないと痛感しました」

 自分なりに理解を深め、報道スタッフの信頼を得ていった平成23年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生する。

 尋常でない揺れに、「カットイン(番組を中断して緊急ニュースを放送すること)になるだろう」と身構えた。急いで報道センターに向かい、第一報を伝えた。「冷静な部分もあったと思うのですが、後から映像を見ると10分間くらいは声が上ずっていましたね。極度の恐怖と緊張感だったのでしょう」と振り返る。入ってくる数少ない情報をつなぎ、夜中まで放送を続けた。「放送後、甚大な被害が分かってきてがくぜんとしました」

 新潟県中越地震や北朝鮮によるミサイル発射でもカットインを経験している。「大きな事件・事故が起きたときはアナウンサー自身が放送をつないでいかなくてはなりません。数少ない情報を必要性や重要性を勘案しながら、自分で考えて発信していきます」

 アナウンサーの役割の一つは記者の書いた原稿を、視聴者がより分かりやすいように表現を工夫して伝えることだという。「記者が重視する『新しさ』『情報量の多さ』『正確さ』に『分かりやすさ』を入れたい。テレビの世界でしか通用しない言葉の選び方や感覚をなるべくお茶の間の感覚に近づけたいのです」。そのためにも他の業界の人と積極的に交流している。