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「背中が痛い」誕生日に急死の阿藤快さん、予兆? 出演の医療番組でも指摘されていた

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「背中が痛い」誕生日に急死の阿藤快さん、予兆? 出演の医療番組でも指摘されていた

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 名脇役として活躍し、旅やグルメ番組のリポーターとしても親しまれた俳優、阿藤快(あとう・かい、本名・公一=こういち)さんが14日、東京・新宿区の自宅で大動脈瘤(りゅう)破裂胸腔内出血のため急死したことが16日、分かった。亡くなった14日はくしくも69歳の誕生日だった。死の直前まで働き、ゴルフを楽しんでいたが、最近は「背中が痛い」と予兆ともいえる症状を訴えていた。(サンケイスポーツ)

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 人懐っこい笑顔と軽妙な語り口。身長1メートル83の偉丈夫、阿藤さんが急死した。

 所属事務所によると、14日の誕生日に祝福メールを送っても返信がないため、15日午後、阿藤さんの妹と自宅マンションへ。阿藤さんはベッドにあおむけで眠るように亡くなっていた。解剖の結果、死亡は14日と判明。スタッフとは13日にメールで仕事の打ち合わせをしたばかりだった。

 「安らかで静かな顔をしていました」と事務所社長。健康そのものに見えた阿藤さんだが、「実はテレビの医療番組で以前、心臓の血管が詰まっていると指摘され、(血液の流れを良くする)薬も飲んでいました」という。夫人とは別れ、長男は結婚、現在は一人暮らしだったようだ。

 神奈川・小田原市生まれ。東京都立大(現首都大学東京)法学部を卒業後、1970年に舞台デビュー。88年からのフジテレビ系ドラマ「教師びんびん物語」の教師役で人気者に。旅やグルメのリポーターも長く務め、「なんとも言えない」というような意味の「なんだかな~」の口癖と飾らない人柄で親しまれた。先月18日にスタートしたTBS系ドラマ「下町ロケット」の第1話に弁護士役で出演したばかりだった。

 死の直前まで精力的に活動し、今月8日には公開中の出演映画「シネマの天使」の舞台あいさつが福岡市で行われ参加。その直後、「背中が痛い」と打ち明け、マッサージを受けたという。翌9日には東京都内のイベントに参加したが、福岡の舞台あいさつが事実上ファンの前で見せた最後の姿となった。

 一方で好きなゴルフにも出掛けていた。今月4日に一緒にラウンドした友人男性は、16日に放送されたフジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」の取材に「顔色が悪く、食欲がなかった。『背中が痛い』と言っていた」と証言。ただ、阿藤さんは17日にもゴルフに行く予定だったという。

 元来、グルメで知られた。今月10日には近所のウナギ料理店から出前も取り、食欲も回復していたのか。たばこは10年以上前にやめたが、芋焼酎を「水みたいなもんだ」と言うほどの酒豪でもあった。しかし、健康を過信していたのか、それとも命を奪うほどの病魔とは思っていなかったのか。いずれにせよ惜しまれる突然の死となった。

◆TBS系「下町ロケット」で共演したタレント、ピーター(63) 「対峙する弁護士役でこの間共演したばかり。年も近かった。でも少し太られたように見えて、『太ったー? 快さん』って聞いたら、『うん、そうなんだよー』って。すごく汗もかかれていて、体の調子が良くないのかなとちょっと思った」

◆阿藤さんの最後の映画となった「シネマの天使」で共演したミッキー・カーチス(77) 「信じられないよ。先月13日の完成披露試写会も元気そうで、楽しい会話をして盛り上がっていたから。本当に気遣いがすごい奴で、試写会で好き嫌いの激しい本郷(奏多)君がまんじゅうを食べなければならないのを心配して『俺が食べてやるよ』と言うような奴だったよ。俺より若い人が亡くなると本当にショック」

◆同主演俳優、本郷奏多(24) 「つい先日までご一緒にお仕事をさせていただいて、優しく温かい阿藤さんのお人柄に助けられておりました。お元気そうに見えたので、驚きを隠せません。素敵な先輩であり、大好きな俳優さんでした」

◆ドラマ「教師びんびん物語」シリーズで共演した俳優、野村宏伸(50) 「初めてお会いしたときは本当に怖そうな人だなと思っていましたが、実は心優しく、いつも現場を和ませるなど、すごく周りの方に気を使う方でした。『いいね! 面白いよ!』と一番に褒めてくれたおかげで芝居にも自信が持て、色々な迷いが吹っ切れたところもありました」

◆同女優、生田智子(48) 「阿藤さんとは『教師びんびん物語』でご一緒しました。いつも『イクタ!』と呼んでくださり、大変かわいがっていただきました」

◆NHK「着信御礼!ケータイ大喜利」などで共演したタレント、今田耕司(49) 「いつもにこやかで元気な方でした。番組で定期的にお会いしていたので残念でなりません」

◆冨名腰文人・高野ビルクリニック院長 「阿藤さんの場合、背中の痛みは相当、ひどかったはず。マッサージなどではなく、一刻も早く医者にかかっていれば、人工血管で治る可能性もあった。大動脈瘤は動物性脂肪分やアルコールの大量摂取、喫煙などによる動脈硬化が原因で血液の流れが悪くなり、大動脈にできるこぶのこと。そのこぶが破裂して胸腔内に大量に流れこんでしまい呼吸困難になったのでしょう。高血圧の人は特に日ごろから注意し、血圧を下げる治療を受けることがまず、大動脈瘤を避ける予防になります」

■葬儀・告別式

 通夜は20日午後6時、葬儀・告別式は翌21日午前9時から、神奈川県小田原市栄町1の6の10、湘和会堂小田原で。喪主は長男、基(もとい)氏。

■阿藤快(あとう・かい)

 本名・阿藤公一。1946(昭和21)年生まれ、神奈川・小田原市出身。都立大を卒業後、劇団俳優座に入り美術を担当したが、俳優、故原田芳雄さんに誘われ70年、舞台で俳優デビュー。黒澤明監督の映画「影武者」(80年)で注目され、悪役からコミカルな役までこなせる脇役に成長。「教師びんびん物語」シリーズでは歌手で俳優、田原俊彦(54)扮する主人公の同僚教師を演じ、幅広い人気を得た。当初は俳優座の先輩俳優、中村敦夫(75)が名付け親の「阿藤海」を名乗ったが、2001年に改名した。