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市川猿之助がスーパー歌舞伎II「ワンピース」 「常客に知ってほしい壮大な物語」

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市川猿之助がスーパー歌舞伎II「ワンピース」 「常客に知ってほしい壮大な物語」

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 「世界で一番読まれている作品。普段、歌舞伎に親しんでいる年齢層に、こんな壮大な物語があることをお知らせしたい」。大ヒット漫画「ONE PIECE(ワンピース)」が10月7日から新橋演舞場(東京都中央区)で上演される。近年、漫画を舞台化した「2・5次元ミュージカル」が目立つが、今作は歌舞伎的手法で見せる「スーパー歌舞伎II(セカンド)」。市川猿之助(えんのすけ)(39)が3役で主演する。(飯塚友子)

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 今回、上演されるのは「頂上戦争編」。大秘宝のワンピースを探す航海中、海賊王を目指す主人公、ルフィ(猿之助)らの一味は散り散りに。1人になったルフィが、処刑されそうな兄貴分、エースの救出に尽力する中、瀕死(ひんし)の重傷を負うなど危険を冒しながら壮絶な決戦を展開する。猿之助の伯父、猿翁(えんおう)が創始した「スーパー歌舞伎」の脚本などを手掛けた横内謙介が脚本・演出を担う。猿之助はルフィ、女海賊のハンコック、赤髪海賊団船長のシャンクスの3役を演じ、演出にも参加する。

 ルフィは手足が伸びるゴム人間。物語では、ほかに魚人やガイコツなど“規格外”のキャラクターも続出する。さらに、海賊同士の戦闘シーンや早替わり、新橋演舞場初の斜めの宙乗りなど、スペクタクル(大仕掛け)も期待できそうだ。しかし、猿之助は「それらはあくまで彩りの一つ。ドラマを大事にしたい」と強調する。

 上演決定後、原作者の尾田栄一郎から贈られた78巻の原作を読み通し、世界的なヒットに納得した。「敵同士が男気にほれ、いざとなると手を携える考え方が魅力。ワンピースを探し当てることが大事なのではなく、求めようとする心意気、過程が大事と思う」と猿之助。そこで今回、原作ファンを歌舞伎に呼び込むより、「ワンピースを(歌舞伎ファンに)啓蒙(けいもう)したい」という姿勢で臨む。

 猿之助は昨年3月、「スーパー歌舞伎II」第1弾として、新作「空ヲ刻ム者」に主演。第2弾の今回も市川右近(51)ら澤瀉屋(おもだかや)一門を中心とした歌舞伎俳優に加え、浅野和之(61)や福士誠治(32)も出演する。「お互い刺激になる」と、歌舞伎の枠にこだわらない姿勢を貫き、主題歌も男性デュオ「ゆず」の北川悠仁(38)に依頼した。洋風のダンスシーンも入る予定だ。

 訪仏時、書店に「ワンピース」が並んでいるのを見てうれしかったという。「世界でできればいいですね」と俳優として追い求める“大秘宝”も口にした。11月25日まで。チケットホン松竹(電)0570・000・489。大阪公演あり。

【用語解説】ONE PIECE(ワンピース) 

 平成9年7月から「週刊少年ジャンプ」(集英社)に尾田栄一郎が連載している大ヒット漫画。「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」をめぐる海洋冒険ロマンで、主人公は海賊王を目指す少年、モンキー・D・ルフィ。単行本は78巻まで刊行され、累計発行部数は3億2000万部(うち海外で6000万部超)を突破。今年6月、「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定された。