産経ニュース for mobile

【話の肖像画】女優/AKB48 大島優子(25)4 震災で初めて自分の力を知った

記事詳細

【話の肖像画】女優/AKB48 大島優子(25)4 震災で初めて自分の力を知った

更新

 〈AKB48の人気が高まる中、平成23年3月11日に発生したのが東日本大震災だった〉

 震災のとき、私やメンバーはグアムでシングル「Everyday、カチューシャ」のプロモーションビデオの撮影をしていました。みんな一斉に携帯電話で家族たちと連絡を取っていました。ニュースで震災の映像を見て、実感がまったく湧きませんでしたね。まさか自分の国で起きているとは思えなかったです。

 国民的アイドルと呼ばれている私たちAKB48には、できることがあるんじゃないか、やらなければいけないことがあるんじゃないか、そう思いました。だから、メンバーみんなで、被災地支援に早く行きたいとスタッフさんにずっとお願いしていたんです。

 〈震災で公演やコンサートは中止に。そして23年5月22日、AKB48の「誰かのためにプロジェクト」による被災地訪問が始まり、計6人のメンバーで岩手県大槌町と山田町を訪れた〉

 忘れられない光景でした。本当に身近に起きていることで、言葉が出なかったです。何もなくなることの怖さを痛感しました。被災地の皆さんも元気がなくて、どう声を掛けていいかも分からない状態でした。

 でも、ミニライブでは年配の方々が喜んでくださって。たぶん、私たちのことを知らないんですよ。「AKなんちゃらみたいなのが来たから見に行ってみようか」という軽い気持ちで見に来てくださったと思うんですけど、私たちが歌って踊っているのを見て「良かった」と泣きながら言ってくださる方もいて。

 そのとき、歌の力、エンターテインメントの力がこんなにもあることを初めて実感しました。家族を亡くされ、家も失い、悲しみを持っている方を元気にできるって、すごい力を持っているな、歌ってすごいなと思いました。アイドルになってよかったと初めて思ったときかもしれません。

 〈AKB48グループはその後も毎月1回、ボランティアによる被災地訪問を続け、3月で計35回に達した〉

 私自身も変わりました。AKB48としての活動は、自分の夢をかなえるためとか、少しでもメジャーに近づくためとか、自分たちのことが一番だったと思うんです、正直。そこに応援してくれる人が集まり、あの子の夢を応援してあげようとファンになっていただいていたり。

 ところが震災後は、自分たちじゃない誰かのために、そして日本のために、と思えるようになりました。自分の視野や活動の幅が広くなって。人のために動けるって、すごく力がわいてくることだから、自分のためよりも、パワーが湧いてくるんです。こんな力があることを自分でも知ることができたし、それを受け取ってもらえてうれしかったですね。 (聞き手 酒井充)

ランキング