「学び」の現場つなぐ「LINE WORKS」 気軽さ、信頼両立するビジネスチャットが普及 教職員や講師、生徒まで

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 テレワークや時差出勤など「ニューノーマル(新常態)」の働き方が広まるなか、ビジネスチャットが急速に普及している。離れた環境でも職場にいるような気軽かつ、活発なコミュニケーションを可能にする一方、私生活と一線を画す使い方ができるためだ。代表格の「LINE WORKS(ラインワークス)」はLINEから派生した使いやすさや信頼性の高さが支持を集め、2017年には有料ビジネスチャットの国内シェア首位(※1)を獲得。2018年11月に開始した無料版「フリープラン」で裾野を拡大し、新型コロナウイルスの影響が大きい教育や医療などの職場も支えている。導入の現場を取材し、活用のヒントを探った。

在宅でも情報共有できる「仮想職員室」

 「7月から給食が再開するけど、衛生管理の新たな注意点は」

 「これから体育の時間はマスクを着けたままだと熱中症のリスクがありますね」

 横浜市立緑園西小学校の教職員がこう話し合うのは、LINE WORKSのトーク機能上にある「仮想職員室」。4月の在宅勤務導入を契機に開設し、いまも学校生活の課題や会議資料の確認に活用している。立田順一校長は「自宅でも職員室にいるようにリアルタイムの情報共有ができる」と効果を語る。

緑園西小がLINE WORKS上に開設した仮想職員室。定型のあいさつなどを省き、迅速で会話しているようなコミュニケーションを実現している
緑園西小がLINE WORKS上に開設した仮想職員室。定型のあいさつなどを省き、迅速で会話しているようなコミュニケーションを実現している
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 同校は市の教育委員会からの通知を受け、4月13日から教職員30人のうち約7割が在宅勤務に移行。いつも職員室で相談する学習課題制作や、休校中の「校庭開放」の受け入れ体制づくりなどの調整が難航する事態が予想された。教職員間の連絡は校内のグループウェアを使用していたが、自宅環境からはアクセスできないうえ、「メールは一方通行になりがちで相談や調整は難しい」(立田校長)。このため市教育委員会も取り入れ、利用を認めているビジネスチャットとしてLINE WORKSの導入を決定した。

 参加は任意だったが、教職員ほぼ全員が開始当日にアプリをダウンロード。午後には在宅勤務に入ったが、ITに不慣れなベテラン教諭も含め円滑に運用が始められたという。立田校長は「LINEとほぼ同じ操作なので、研修も必要なかった」と振り返る。

私用LINE使わず、やり取りできる安心感

 在宅期間中は教材研究などの成果を動画付きで共有したり、テレビ会議のIDなどを連絡したりして業務を支えたほか、管理者(校長)が「既読」の状況を把握できることが労務管理にも役立ったという。在宅の教職員は午前8時15分の始業と午後4時45分の終業を報告する必要があったが、「20人以上の電話やメールを受けるのは大変。全員にメッセージを発信して既読が付くかどうかで確認できた」(立田校長)

立田順一校長
立田順一校長
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 LINEの手軽さなど利点を生かしつつ、LINE WORKSは実名登録が原則で、ビジネス利用に特化した点が特徴だ。同校は子供を学校で預かる「緊急受け入れ」の人数など校内の様子のほか、他府県の取り組みの記事や参考図書などの情報交換も一定の範囲で認め、職員室の雰囲気を再現している。

 個別支援学級を担当する中野直美教諭は自身も子育て中で忙しい日々を過ごすが、隙間時間にスマホで簡単に情報を確認できたという。「在宅では校内メールが使えないし、ささいな連絡で電話をするのは気が引ける。私用のLINEを交換しなくても、ちょっとした仕事のやり取りをできる安心感がある」と指摘する。

 授業は6月から順次再開し、教職員も出勤に戻っている。立田校長は「(新型コロナの)第2波、第3波も想定し、補助的ツールとして使っていきたい。滞っているPTAの活動などにも活用できるかもしれない」と先を見据えた。

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生徒がどこにいても質問できる環境作り

 教育現場は企業と同様にコミュニケーションの重要性が高いうえ、教職員や保護者、生徒という年齢や立場の異なる関係者が混在する難しさも伴う。これに対し、気軽で迅速なやり取りと、一定の関係性や距離感を両立するLINE WORKSが解決につながるツールとして学習塾にも拡大している。

 ベネッセグループの東京個別指導学院は、全253教室(19年7月時点)の講師計1万人の連絡手段として導入。講師の大半を占める大学生が慣れ親しんだ操作性を持つツールを使うことで、迅速で確実な連絡ができるようになったという。さらに、生徒の「学び」に生かす事例も出てきている。

 茨城県守谷市の閑静な住宅街の一角にある「STUDY PLACE 翔智塾」。ビル2階に入る塾の扉を開けるとカラフルな内装の自習室で、勉強に励む中高生の姿があった。参考書を開き、時にスマホを操作する彼らがLINE WORKSの画面に書き込んでいるのは「この問題(2)が分からないので教えてください」など講師への質問だった。高校3年の藤森想大さんは「自習時もLINE WORKSで個別に質問でき、先生と距離が縮まり授業でも質問しやすくなった」と笑顔を見せる。

STUDY PLACE翔智塾の生徒と講師のLINE WORKSでのやり取り
STUDY PLACE翔智塾の生徒と講師のLINE WORKSでのやり取り
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 同塾は講師による授業に加え、「毎日でも通いたくなる自習室」を指導の柱に位置付け、勉強する生徒が居心地のよい環境作りに取り組んでいる。中村五十一代表は「いつでも自習室に来て質問できるのが基本だが、保護者の送迎などの制約がある。生徒がどこにいても同じ環境を実現したかった」と説明する。

「STUDY PLACE 翔智塾」の中村五十一代表
「STUDY PLACE 翔智塾」の中村五十一代表
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 実際、新型コロナの影響で通学が難しい状況だった期間も、授業の動画配信のアドレス送付などに活用。従来から、引っ越してもこの塾の指導を受けたいという生徒に対し、LINE WORKSとテレビ会議ツールで指導を行っていた経験も活き、スムーズに対応できたという。生徒は質疑に加え、「自習室の開室状況などを受験生同士で連絡したりしている」(藤森さん)

塾専用として使えるLINE WORKSで他の受験生からのメッセージをみる藤森想大さん
塾専用として使えるLINE WORKSで他の受験生からのメッセージをみる藤森想大さん
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閉じたコミュニケーションを防ぐログ管理

 LINE WORKSは当初、運営側から講師の大学生への連絡手段として導入し、フリープランの開始とともに生徒にも利用を拡大した。中学生時代を米国で過ごし、先進的なIT教育を受けた中村代表には自然な流れだったが、保護者には外から見えないSNSなど“閉ざされた”コミュニケーションがいじめなど人間関係のトラブルにつながる懸念が強かった。

 これに対し、LINE WORKSは法人向けアプリケーションとして、システム管理者がメンバーの利用履歴などログ(記録)管理ができる。塾内利用というクローズドな安心感と、完全に個人間に閉ざされた状態を防ぐ仕組みの両立が可能だったことが、大きな説得材料になったという。生徒には入塾すると利用開始前にログを管理していることを通知し、責任のある利用を促すと共に、保護者の理解も得ている。

中村代表と話す藤森さん(左)、高2の伊東詩織さん(中央)。STUDY PLACE 翔智塾は学年を問わず生徒同士の交流も活発だ
中村代表と話す藤森さん(左)、高2の伊東詩織さん(中央)。STUDY PLACE 翔智塾は学年を問わず生徒同士の交流も活発だ
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 教育現場は保護者の手書き信仰が根強く、幼いころからデジタルに親しむ生徒であっても、動画視聴、ゲームなど限られた娯楽的な利用に留まるケースがほとんどだという。中村代表は「新型コロナで教育現場でもITツールを利用することが一般的になったが、LINE WORKSも導入時は生徒や保護者に抵抗感があった。まず、利用して有効性を知ることで、新たな可能性はもっと広がってくる」と前を向いた。

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※1 2017年度実績。出典:富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2018年版」

提供:ワークスモバイルジャパン株式会社

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