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北米USMCA、1日発効 自動車の無関税条件を厳格化

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国境を越えて米国に輸出されるトヨタ車=6月30日、メキシコのティフアナ(ロイター)
国境を越えて米国に輸出されるトヨタ車=6月30日、メキシコのティフアナ(ロイター)

 【ワシントン=塩原永久】北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」が7月1日に発効する。自動車が無関税となる条件を厳しくしており、日系を含む自動車大手は経営への影響を注視している。北米3カ国による貿易ルールの抜本改定は約26年ぶり。運用上の混乱回避のため一部ルールは猶予期間が設けられた。

 1994年にNAFTAが発効して以降、3カ国の経済関係が緊密になったとされる。だが、雇用流出を招いたとトランプ米政権が改定を求め、2017年8月に再交渉を開始。自動車や乳製品、投資ルールなどの幅広い分野を見直した。

 新協定は、関税がゼロとなる条件を示す「原産地規則」を変更した。自動車は域内の部品調達比率を従来の62・5%から75%に引き上げた。また、40~45%の部品を時給16ドル(約1700円)以上の工場で製造するよう求める「賃金基準」も新たに設けた。

 ルール改定は、中国などへ流出した生産拠点を、米国を中心に北米へと回帰させる狙いがある。ただ、USMCAは複雑なルール変更を伴うため、自動車メーカーなどは発効時期の延期を求めていた。

 域内調達比率の計算方法を決める原産地規則の詳細な規則は、公表が今月までずれこみ、最終的な運用開始まで6カ月の猶予期間が設けられた。新型コロナウイルスの混乱で事業環境が見通しにくくなる中、自動車などの関係企業は当面、生産コストなどへの影響を見定め、北米で築いたサプライチェーン(部品の供給・調達網)の大幅な変更が必要になるかどうか慎重に検討していくとみられる。

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