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ふるさと納税、制度のひずみが混乱生む

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 ふるさと納税の新制度からの除外をめぐる総務省と大阪府泉佐野市の法廷闘争で30日、最高裁から泉佐野市勝訴の判決が言い渡された。混乱を生んだのは、総務省の制度設計が甘く、ひずみをはらんでいたことが背景にある。

 ふるさと納税は故郷や応援したい自治体に寄付すると住民税などが控除される制度。都市部に集まりがちな財源を地方に移し、地域活性化に役立てる狙いで平成20年度に始まった。

 寄付総額は初年度に81億円だったが、自治体が寄付の返礼品を豪華にして寄付金を集める競争が過熱し、30年度には5127億円まで拡大した。

 総務省は強制力のない通知で高額な返礼品の抑制を自治体に求めてきたが、同市は従わなかった。昨年6月、返礼品の基準を「寄付金の3割以下の地場産品」と定めた法律が施行された。

 30年度にアマゾンギフト券などで全国トップの497億円もの寄付金を集めた同市について、総務省は新制度から除外した。泉佐野市が同省の要請を無視し、「ふるさとを応援する」という制度の趣旨を逸脱していたとの思いが根強かったからだ。

 だが、問題が顕在化するまで返礼品のルールを整備せずにいた総務省の責任は重い。当初は利用が伸び悩んで、27年度に減税対象となる寄付額の上限を2倍に引き上げたが、理念よりお得感が際立って自治体間競争の激化にもつながった。

 総務省は今後、自治体に細かく目配りしながら本来の趣旨に沿った制度運用に努めていく必要がある。

 菅義偉官房長官は同日、判決後の記者会見で「自治体間で健全に競争し、地域活性化に貢献するというふるさと納税の枠組みは今後も変わらない」と語った。(万福博之)

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