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4割の日系企業の駐在員が中国へ戻れず、技術指導者不在で不良品多発も

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 【北京=三塚聖平】新型コロナウイルス対策のため日中間の往来制限が長期化していることで、中国に拠点を置く日系企業の事業に影響が出ている。上海市などの日系企業によるアンケートでは、回答企業の4割が経営幹部を含む駐在員が中国へ復帰できていないと回答した。技術指導者の不在により工場で不良品が多発するといった事態も起きているといい、早期の復帰を望む声が上がっている。

 上海や江蘇(こうそ)省、浙江(せっこう)省、安徽(あんき)省の日系商工クラブで組織する「華東地域日商倶楽部懇談会」は18日、同地域に拠点がある日系企業を対象にしたアンケート結果を公表した。1208社が回答し、その中で「中国に復帰していない駐在員がいる」と答えた企業は42%に当たる503社に達した。

 そのうち339社が「すぐにでも派遣したい」と回答。総経理(社長)などの経営幹部が復帰していないのは227社に上り、製造現場を支える生産・技術部門の駐在員が復帰していない企業も目立った。

 中国は感染対策で外国人を原則入国させない措置を続けており、日本からの出張や駐在員復帰を妨げている。中国当局が制限措置を厳格化した3月28日以降、査証(ビザ)を取得した出張者がいると答えた企業は全体の1%の17社にとどまる。

 回答企業は「総経理が半年間不在で、組織運営に影響が出ている」▽「技術品質指導で派遣すべき人間が中国に入れず、不良品が多発している」-といった事業への影響を訴える。

 往復が難しいため「身内に不幸があっても日本に一時帰国できないのは非常につらい」▽「通院したい、日本の薬を入手したい」-など切実な声が聞かれた。

 アンケートの担当者は「入国制限に加えて日中間の航空便が大幅に限定されているため、思っていたよりも多くの駐在員が中国に復帰できていない状況が分かった」と指摘する。この結果を踏まえ、地元当局や日本政府に往来の円滑化を求めていくという。

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