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米失業率戦後最悪、雇用へのコロナ打撃深刻、改善見通せず

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 【ワシントン=塩原永久】米国の失業率が戦後最悪の水準まで悪化したことで、新型コロナウイルスの感染拡大が米景気に修復しがたい深い傷を及ぼしつつあることが鮮明になった。景気悪化の底はみえず、大型の企業倒産も相次ぐ。米国経済の急減速が世界経済を揺るがすおそれが出てきた。

 米国の雇用の歴史的な悪化は米国経済の窮地の表れだ。世界経済の約4分の1を占める米国で、雇用と密接に関わる消費や生産活動が落ち込めば日本を含む世界各国にも波及する懸念が強い。

 実際、米国の消費や生産には暗い影がさしている。衣料品大手Jクルー・グループに続き、高級百貨店ニーマン・マーカスは7日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請。米国の名門企業、航空機大手ボーイングは人員10%削減を表明した。

 また雇用悪化は11月に大統領選を控えるトランプ米大統領には懸念材料だ。好景気の追い風で失業率は今年初めまで3%台後半で推移。トランプ氏は政策運営の成果として誇示してきたが、雇用悪化が長引けば再選に向けて逆風になる。

 一方、労働省が毎週発表する失業保険申請件数が減少傾向にあることから、「雇用悪化は底を打った」との指摘もある。南部のテキサス州など多数の州が感染対策を緩和し、レストランや製造業を再開させる地域が増えている。ただ、店舗で人と人との距離を保つ感染対策などを継続しており、商業活動が一気に盛り返す兆しはみえない。

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