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14カ国が農産物の輸出制限 日本は「支障なし」

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 新型コロナウイルスの感染拡大は、世界の食料供給体制にも影を落としかねない。農林水産省によると、16日時点で少なくとも14カ国が農産物・食品の輸出制限を実施している。日本を含む20カ国・地域(G20)は21日に農業大臣の臨時テレビ会議を開くが、食料の安定的な供給を確保する「食料安全保障」の在り方が主な論点になる見通しで、自国を過度に優先する動きの拡大を牽制(けんせい)できるかが焦点となる。

 輸出制限を実施する14カ国はロシアやウクライナ、トルコ、ベトナム、カンボジアなど。ロシアは世界最大の小麦輸出国だが、4~6月は小麦などの輸出に1~3月実績の約720万トンを小幅に下回る700万トンの枠を設定した。ウクライナは小麦やソバの実、ベトナムはコメで、それぞれ輸出制限を導入した。

 農水省によると、日本は小麦の国内消費の88%を輸入に頼っており、トウモロコシはほぼ全量、大豆も92%に達する。ただ、輸入先をみると、小麦は米国とカナダ、豪州で98%を占め、小麦の輸出制限を導入したロシアのシェアはわずか1%だ。トウモロコシや大豆も、米国やブラジルなどからの輸入が大半を占める。農水省幹部は「現状で日本の穀物の輸入に支障は生じていない」と話す。これらは国内に備蓄もある。

 とはいえ、輸出制限の拡大は、経済的に貧しく食料が不足しがちな国々には特に打撃となりかねない。

 国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)の事務局長は3月31日に共同声明を発表。「食料の入手可能性をめぐる不確実性は、国際市場における(食料の)不足とともに、輸出制限の波を引き起こす恐れがある」と懸念した。

 江藤拓農水相は17日の記者会見で「一部では、自国優先的な食料供給体制(がみられる)」と指摘。21日のG20農業大臣の臨時テレビ会議では「これまでと変わらぬ食料の輸出入の体制を維持するよう、わが国としての主張をしっかりと行う」と述べた。食料輸入国としての立場から、過度な輸出制限をしないよう各国に呼びかけるとみられる。(森田晶宏)

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