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一人親支援合意の内幕 公明攻勢に自民転換

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 12日に決定した令和2年度与党税制改正大綱で焦点となっていた未婚の一人親支援制度をめぐり、昨年まで事実婚を助長するとして慎重だった自民党が対応を一転させた。シングルマザーら未婚の一人親への税制支援を求めてきた公明党の「不退転の決意」(党幹部)に加え、自民党保守系女性議員の動きが背景にある。水面下の攻防を追った。

 「一人親問題はその都度時代の要請に取り組んできたが、パッチワークになっている。抜本的に整備し、自公協力がうまくいった」

 自民の甘利明税調会長は12日、公明の西田実仁(まこと)税調会長と臨んだ記者会見で、こう成果を強調した。

 昨年12月の令和元年度税制大綱で児童扶養手当を受給する一人親の個人住民税は非課税としたが、所得税は持ち越しとなっていた。シングルマザーらが、配偶者との死別や離婚した場合に所得税などを軽減する「寡婦(夫)控除」の対象外になっていることに公明内からは「時代遅れ」との指摘が出ていた。

 甘利氏は今年9月の税調会長就任後、安倍晋三首相やインナーと呼ばれる税調幹部らと合意形成を図り、一人親支援は税制で対応することで自公が一致した。

 ただ、両党は税控除の基準額でぶつかった。寡婦控除と同等の年間所得500万円以下で譲らない公明に対し、自民は事実婚ではもらえない児童扶養手当の基準額である年間所得230万円以下を主張。協議は平行線をたどり、西田氏も周囲に「振り出しに戻るかもしれない」と漏らした。

 「神風」(公明インナー)となったのは、自民の稲田朋美幹事長代行ら保守系女性議員の動きだった。一人親への寡婦控除適用を菅義偉(すが・よしひで)官房長官に直訴し、甘利氏とも掛け合った。

 公明党も稲田氏の背中を押し続け、外堀は徐々に埋められていった。ある自民インナーは「伝統的家族観を重視する稲田氏らが一人親支援を推進したことが影響した」と話した。(清宮真一)

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