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米年末商戦、米中対立が小売りに打撃

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ブラックフライデーの売り出しで買い物する人々=米ニューヨーク(ロイター)
ブラックフライデーの売り出しで買い物する人々=米ニューヨーク(ロイター)

 【ワシントン=塩原永久】米国の年末商戦が28日の感謝祭と翌日の「ブラックフライデー」から本格化する。中国との貿易摩擦が影を落とす中、米経済を支える個人消費の耐久力が問われる。調査機関は小売売上高が前年比4%前後の伸びになると予測しており、今は死角がみえない。一方で、小売り企業が発表した年末商戦を含む業績予想は明暗が分かれ、米中対立の傷跡も鮮明になってきた。

 全米小売連盟(NRF)は、今年11~12月の小売売上高が前年同期比3・8~4・2%増えると予測。米調査会社イーマーマーケッターも3・8%の伸び率を見込み、総売上高が初めて1兆ドル(約108兆円)を超えるとみている。

 米国の失業率は半世紀ぶり低水準で推移し、好調な雇用が消費を下支えする構図は健在だ。NRFのシェイ会長は、貿易摩擦や世界経済減速が米消費を下押ししていると認めるが、「経済の勢いをみれば昨年より一段と力強い年末商戦期が期待できる」と指摘する。

 米小売り企業は年末商戦で売り上げの4割前後を稼ぎ出す。休暇入りした消費者が、激安商品を目当てにブラックフライデーに店に繰り出すほか、翌週月曜にオンライン通販大手が安売りを仕掛ける「サイバーマンデー」も浸透した。

 NRFの予測では、感謝祭からサイバーマンデーまで5日間で約1億6530万人が買い物する。購入予定品を聞くアンケート(複数回答)では、首位の服飾品(58%)に次ぐ2位が、ギフトカード(54%)だった。友人らに「不要なプレゼント」を贈りたくない人が増えたためだという。

 一方、消費関連の統計では、26日発表の11月の米消費者信頼感指数が、4カ月連続で低下した。米中貿易摩擦は先行きがみえず、企業は投資に慎重だ。好景気を維持したいトランプ米政権にとり消費の耐久力が頼みの綱だが、小売り企業への影響も浮かび上がる。

 ディスカウント店のダラーツリーは26日の業績発表で、米国の対中制裁関税により10~12月期だけで1900万ドル(約23億円)のコスト増が生じるとした。低価格品を中国から輸入する事業形態に関税の打撃が直撃した。同社の改訂後の通期業績予想は市場予測を下回り、株価が急落した。

 会員の囲い込みやオンライン投資に成功した家電量販店ベストバイなどの業績は堅調だったが、関税による輸入コスト増は避けられず、店頭価格に転嫁する動きが広がりかねない。米政権は年末商戦への影響回避のため一部の対中関税を先送りしてきた。ただ、米中貿易協議が決裂し、12月15日に予定する幅広い品目への関税を発動すれば、年末商戦後に個人消費に急ブレーキがかかる恐れもある。

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