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5Gプレサービス、特性生かし切れず ビジネス創出と基地局網整備が普及へのカギ

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20日から開始する5Gのプレサービスについて発表するNTTドコモの吉沢和弘社長=東京都中央区
20日から開始する5Gのプレサービスについて発表するNTTドコモの吉沢和弘社長=東京都中央区

 来年春の第5世代(5G)移動通信システムの商用化に向け、プレサービスが続々と登場してきた。超高速・大容量で低遅延の通信ができる情報基盤は、自動運転や遠隔医療などを実現して生活や産業構造を一変させるとの期待が高い。だが、商用化当初のサービスは5Gの特性を生かし切った内容とはいえないうえ、基地局整備での課題も多く、携帯各社はビジネス創出と通信基盤整備を両輪で進めることが急務だ。

 「料金はもらわないが、5Gの実質的なサービスが始まる」。18日の会見でドコモの吉沢和弘社長は20日に始めるプレサービスへの意気込みを語った。

 ドコモはプレサービスでラグビーワールドカップの会場などで5Gの通信環境を整え、観戦しながら手元の端末では好きな角度で試合を視聴できるようにする。ソフトバンクも7月の音楽イベントで5Gを使ったサービスを展開した。

 ただ、現状では「今は5Gならではのキラーコンテンツが絞れていない」(吉沢氏)という課題も浮かぶ。現時点の提案はいずれも4Gの延長線上で実現でき、5Gの特性を十分に生かしたサービスを創出できていないのが実情だ。ドコモは3千社超と協業し、来春に向けサービスづくりを加速するが、有望なビジネスを生み出せるかが今後の焦点になる。

 一方、5Gサービスの普及には全国的な基地局網の整備という課題もある。5Gは現行の4Gに比べて電波の飛ぶ距離が短く、サービスを全国に行き渡らせるにはより多くの基地局が必要になる。KDDIとソフトバンクは基地局整備で提携し、鉄塔など周辺設備の相互利用を進めるなど、巨額の整備費用削減への「インフラシェアリング」の動きも広がってきた。

 日本での商用化は今春に始まった米国や韓国より1年遅く、周回遅れとも指摘される。政府は巻き返しに向け、携帯大手の整備計画が現行より2割程度前倒しで進むよう補助金などで支援するほか、信号機を基地局として活用する施策なども推進して基地局整備を後押しし、5Gをめぐる国際競争での勝ち残りを狙う。

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