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日中、通商問題で歩み寄り探る 米国の強硬姿勢を牽制

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 米中の貿易摩擦が激しくなる中、日中は通商問題での連携を模索している。とりわけ、日中や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内の交渉妥結を目指す方向では一致している。保護主義的な動きを強める米国に対し、日中は多国間の枠組みを外交カードとして活用したい構えだ。ただ、日本は知的財産権の侵害といった不公正な貿易の是正を中国に求めており、通商問題で日中が結束しきれない現実もある。

 日米は貿易交渉を開始し、7月の参院選後の早期妥結を目指している。しかし、農産品や工業品の関税引き下げ・撤廃をめぐる主張の隔たりは大きく、交渉は難航が予想される。一方の中国もトランプ米大統領と習近平国家主席による首脳会談を29日に開き、米中貿易協議を再開させる。

 強硬な姿勢を強めるトランプ政権と、2国間の貿易交渉に臨んでいる点で日中の立場は共通する。日中はRCEPのような多国間の枠組みを拡大することで、米国の動きを牽制(けんせい)したい考えだ。昨年11月に開かれたRCEP首脳会議では、2019年中の交渉妥結を目指すことで合意。また、RCEPのほか、韓国も加えた日中韓3カ国の自由貿易協定(FTA)の交渉も進めており、日本は「多角的な自由貿易体制を推進する」(政府高官)方針だ。

 しかし、貿易問題をめぐっては日中で相違もある。日本は中国に対し、技術移転の強要や国有企業に対する産業補助金といった不公正な貿易について是正を求めている。そもそも米国による中国への制裁関税もこうした不公正な貿易が発端だ。日本は安全保障上も同盟国である米国との関係を重視しており、日中が連携して米国を牽制するには限界があるのも事実だ。(大柳聡庸)

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