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NTT、AIとドローンでスマート農業 農薬をピンポイント散布

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 NTTは、ドローン(小型無人機)を人工知能(AI)で自動運行させ、育成状況の悪い場所に農薬や肥料をピンポイントで散布するスマート農業の実証実験を開始する。AIは画像などから農作物の生育状況を判断、カメムシなどの病害虫の発生も予測する。測位情報の精度を向上させる準天頂衛星「みちびき」を活用し、ドローンを運行する際の誤差は1メートル以下になるという。

 実証実験は今月から令和3(2021)年3月までの2年間、福島県南相馬市にある8ヘクタールの水田で実施する。目標は作業時間の3割減、収量の3割増。ほかの地域や幅広い品種での汎用性を高め、2年後のサービス開始を目指す。準天頂衛星の対象エリアとなっている東南アジアなどへの海外展開も視野に入れる。

 実証実験では、AIを活用して病害虫が発生する原因と水温、地温、気象データなどを組み合わせて分析する。稲作での病害虫予測は技術確立できれば日本初。日本農薬などのデータを使い、約70種類の病害虫に対応する。

 予測には観光施設などの混雑具合など人の通行量を予測する技術を応用。観光イベントの集客力と交通など周辺環境のデータを複合的に判断する手法が病害虫の発生の予測と似ているという。

 またAIはドローンの運行も管理する。画像から稲の生育状況や病害虫の発生を検知し、農薬などの散布に最適な日を助言するほか、NTTグループの技術で複数のドローンを同時に飛行させて、画像の撮影や農薬・肥料の散布を効率化する。電波が高層ビルや山などに妨害されにくい準天頂衛星を使い、現在、5~10メートル程度の誤差がある測位精度を大幅に向上させる。

 農業でのIT導入の背景には、温暖化の影響で作物の生育期間が早まったり、病害虫の発生地域が変わったりと、熟練者でも想定できない事態が生じているという事情がある。ITの活用で、人手不足や気候変動など、生産現場が抱える課題解決への期待が高まる。

 クボタは自動運転の田植え機を令和2(2020)年に発売する。既にトラクターやコンバインを実用化。衛星利用測位システム(GPS)で農地に合わせて最適なルートを走行する。富士通もAIで最長3週間先の農作物の生産量を予測するシステムを高知県などと開発している。

 政府も農業の衰退を食い止める切り札としてIT導入を財政面で支援する。しかし割高な導入費など、普及に向けたハードルも高い。(高木克聡)

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