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リクシル再建見通せず 潮田氏、前CEO批判に終始

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会見するLIXILの潮田洋一郎会長=18日午後、東京都港区(桐原正道撮影)
会見するLIXILの潮田洋一郎会長=18日午後、東京都港区(桐原正道撮影)

 LIXIL(リクシル)グループのトップ人事をめぐる混乱は、前最高経営責任者(CEO)の瀬戸欣哉取締役らが求めていた、潮田洋一郎会長兼CEOの取締役辞任を潮田氏自らが表明したことで節目を迎えた。潮田氏は6月の定時株主総会後は、すべての役職から退く方針も示した。ただ、平成31年3月期に巨額の最終赤字を計上する見通しとなった同社の経営再建の方向性やかじ取り役は不明確なままで、今後も株主の不満はくすぶりそうだ。

 「大きな赤字の原因は、CEOだった瀬戸氏にある」。潮田氏は31年3月期に最終赤字に転落する見通しとなったのは、瀬戸氏がCEO時代にビルの外壁を手がけるイタリアの子会社の経営に失敗したためだと断定。「世界一の技術がある(イタリア子会社という)宝石を石ころにしてしまった」と批判した。

 さらに潮田氏は、瀬戸氏の前のCEOとして海外展開の強化を進めた藤森義明氏と瀬戸氏の違いを強調。「藤森氏は限りない貢献をしてくれた。瀬戸氏とはぜんぜん違う」と述べ、瀬戸氏批判を繰り返した。

 また、潮田氏は会見で、イタリア子会社の再建など新しい経営計画を5月にも発表する方針を表明。「私も65歳で若い人に託すのがふさわしいのでは。元気の良いリーダーがかならず良い会社にしてくれる」と話し、リクシルの再建への期待を示した。

 しかし潮田氏の“辞任劇”の背景には、株主からの潮田氏への不満が高まっていたこともある。

 一連の混乱の中で、一部の機関投資家は臨時株主総会の開催を請求。潮田氏と山梨広一社長兼最高執行責任者(COO)の取締役解任の動議を出すと表明していた。潮田氏の辞任は、創業家出身の経営者の解任動議が可決されるという前代未聞の事態を前に自ら身を引いたともいえそうだ。

 今後の経営体制をめぐっては、瀬戸氏が自らを含む取締役の株主提案によりCEO復帰を目指しているが、潮田氏は「11億円もの年俸を得ながら、赤字を招いた責任をどうお考えか、大変いぶかしく感じている」と最後まで舌鋒(ぜっぽう)をゆるめなかった。しかしリクシルグループの前身のトステムの創業家として長らく経営に携わってきた潮田氏が、自らが招いた経営者に赤字の責任をなすりつけた辞任会見は、株主から冷ややかな視線を浴びせられかねない。(大坪玲央、平尾孝)

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