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各社、中国市場攻略へ電動車戦略 上海モーターショー

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展示されたアウディのEV=16日、上海(ロイター)
展示されたアウディのEV=16日、上海(ロイター)
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 自動車各社が上海国際モーターショーで電気自動車(EV)や、EVとして走行し、電池が切れればエンジンで走るプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車を矢継ぎ早に発表するのは、世界最大市場を抱える中国の環境規制に対応するためだ。ただ、各社の生産計画の積み上げが、電動車の供給過多につながる懸念も強まっている。需給バランスが大きく崩れれば、中国市場が電動車の普及を牽(けん)引(いん)するというシナリオに基づく各社の戦略も修正を迫られかねない。

 トヨタ自動車が公開したのは、スポーツ用多目的車(SUV)「C-HR」と「IZOA」のEV。吉田守孝副社長はEVについて、「2020年代前半までに世界で10車種以上に拡大する」と強調した。同社は先月、現地で「カローラ」と「レビン」のPHVを発売した。

 日産自動車は、主力セダン「シルフィ」の新型車を初公開。EVでは今年、北米国際自動車ショーで公開した試作車「IMs」を中国で初めて披露した。ホンダも、中国専用EVと位置づけるSUVの試作車「X-NVコンセプト」を初公開しており、来年にはPHVも投入する方針だ。

 中国政府は今年、自動車会社に対して現地生産の一定比率をEVやPHVなどの「新エネルギー車(NEV)」にすることを義務づける規制を導入。日本勢が得意とするハイブリッド車(HV)はNEVには含まれず、対応を迫られていた。背景には、自国市場の競争のルールを変えて電池などEV関連産業の振興につなげようとする中国の思惑がある。多くの日本メーカーにとって、中国は米国と並ぶ2大市場。しかも、トランプ政権の保護主義的な政策による通商リスクが大きく、中国市場の相対的な重要性は高まっている。

 生産能力増強だけでなく、現地で中国の実情に合致した研究開発を進めようとする動きも強まる。日産と仏ルノーは今月、中国・上海に新しい研究開発拠点を設置したと発表した。EVや自動運転などに重点を置くという。両社と企業連合を組む三菱自動車も別途、研究開発機能を拡充。益子修最高経営責任者(CEO)は16日、「中国で私たちがお客さまを重視し、そのニーズに沿うことを考えている証だ」と強調した。

 もっとも、各社が中国で電動車生産を拡大することで、「需給バランスが崩れる」(市場関係者)との懸念は強い。折しも、中国の新車需要は昨年、28年ぶりに前年を割り込んだばかり。NEVの需要はまだ堅調だが、米中貿易摩擦の影響もあり、先行きは不透明だ。EVなどの投入で規制に対応しつつ、ガソリン車を含めた中国販売全体で収益を確保できるか、各社の戦略の巧拙が問われる。(高橋寛次)

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