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【eco最前線を聞く】日本設計 雨宮正弥氏 日本橋高島屋S.C.の環境負荷低減に貢献 

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日本設計の第1建築設計群副群長兼チーフ・アーキテクトの雨宮正弥氏日本設計の雨宮正弥氏
日本設計の第1建築設計群副群長兼チーフ・アーキテクトの雨宮正弥氏日本設計の雨宮正弥氏
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 3月5日にグランドオープンした日本橋高島屋S.C.本館が環境に配慮した店舗に生まれ変わった。最先端の環境技術を駆使するとともに、高効率の設備機器やシステムの導入により環境負荷の低減につなげた。また、屋上緑化でヒートアイランド現象を緩和した。日本橋高島屋S.C.(本館・新館・東館など)全体の設備設計に環境面から関わってきた日本設計の第1建築設計群副群長兼チーフ・アーキテクトの雨宮正弥氏に、環境負荷低減に向けた取り組みなどを聞いた。

 ■CO2基準より30%削減

 --日本橋高島屋S.C.の環境負荷低減の取り組みのポイントは

 「日本橋高島屋S.C.は本館と新館、東館など4つで構成されており、環境対応の役割がそれぞれ分かれている。建物が新しい新館と東館は、環境に優しい最新の設備を導入できる。しかし、重要文化財に指定されている本館は構造的な制約があり、最新の大規模熱源機器に更新することが難しかった。このため本館、新館、東館の熱源を東館のある建物内に集約化。東館のある施設に設置した熱供給施設から、隣地の新館のある施設と本館に熱源を供給する仕組みにした。これにより二酸化炭素(CO2)排出量は、国が定めた基準よりも30%削減効果がある」

 --どんな熱源設備を採用したのか

 「大規模冷水蓄熱槽や蓄電用熱源設備、追従用熱源設備などを組み合わせることで、熱源の最適化を図った。運転パターンは、午前8時~午後10時が冷水蓄熱槽からの放熱と追従用熱源機器で対応する。しかし、負荷がこれ以上かかる場合、蓄熱用熱源設備で対応する。午後10時~午前8時は蓄熱用熱源設備で運転するなど、ピーク電力の低減と負荷時の平準化を図った。無駄なエネルギーを使わないようにした」

 --制御システムもポイントなる

 「熱源設備の運転制御は中央で行い、運転の最適化を行っている。気象データや負荷実績値などの情報を基に、翌日の熱負荷を予測する熱源機器運転支援システムなどを採用。こうしたシステムにより、光熱費やCO2排出量などを抑えた運転がシミュレーションでき、省エネや管理費の適正化などにつなげている」

 --他の省エネ設備は

 「店内通路などの共用部分の照明は消費電力の削減を図るため、エネルギー効率の高いLED(発光ダイオード)を採用した。新館がある施設には、窓ガラスに空調エネルギーの削減や熱遮に効果がある高性能ガラス『Low-eガラス』などを採用した」

 ■6000平方メートルを屋上緑化

 --屋上も緑地化した

 「ヒートアイランド現象の対策の一環として、本館を中心に日本橋高島屋S.C.全体で約6000平方メートルを緑地化した。都内の施設でこれだけの規模はなかなかない。本館屋上の緑化では、構造上の問題から柱の上に楓やケヤキといった木を植えるなどの工夫をしたほか、これまであった駐車場をなくしたりして緑地スペースを広げた」

 --水の利用については

 「積極的に雨水を活用している。雨水を新館の地下に設置した容量1600トンのタンクにため、トイレの洗浄水などに利用している」(経済本部 松元洋平)

 あめみや・まさひろ  東京工業大総合理工学研究科社会開発工学専攻修了。1992年日本設計入社。商業ビルや公共施設などの設計に携わる。2018年10月から現職。山梨県出身。51歳。

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