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JDI、海外勢に屈す 次世代技術開発進まず

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資本提携について会見で説明するジャパンディスプレイの月崎義幸社長(左)ら=12日、東京都港区(飯田英男撮影)
資本提携について会見で説明するジャパンディスプレイの月崎義幸社長(左)ら=12日、東京都港区(飯田英男撮影)

 電機大手3社の中小型液晶パネル事業を統合したジャパンディスプレイ(JDI)が、中台勢の傘下に入る。米アップルへの依存から脱却できなかったほか、次世代技術開発も進まず、中国をはじめとする海外メーカーとの激しい攻勢に屈した格好だ。官民ファンドの産業革新機構の支援による発足から約7年。「日の丸液晶連合」は事実上、終幕を迎える。

 JDIは平成24年の発足以降、世界的なスマートフォンの普及を追い風に、革新機構の後ろ盾で事業を拡大した。パナソニックの茂原工場(千葉県茂原市)を買収してスマホ向けの最先端工場に転換するなど生産能力を強化。26年には東証1部に上場し、27年度の売上高は発足時の倍近い1兆円規模まで成長した。

 この間、経営の不安定要因だった“スマホ一本足打法”の解消を図ろうと、車載用などの販売拡大に取り組んだ。ただアップル依存からの脱却は進まず、「アイフォーン」の販売不振なども重なって、経営危機に追い込まれた。

 遅れていた有機EL対応に対する危機感もあり、革新機構は28年に開発費750億円の追加支援を決めた。しかし、競合の韓国サムスン電子は自社製スマホ「ギャラクシー」に搭載する形で有機ELの生産量を伸ばした。中国政府の後押しを受ける液晶メーカーも巨額投資で急成長したため、価格競争の激化で採算が悪化した。INCJ(旧産業革新機構)は12日、今回の中台連合による金融支援を「JDIの将来に向けた最善の選択肢」とするコメントを発表した。

 かつて日本は世界生産量の大半を握る「液晶王国」だったが、21世紀に入り、大規模投資を素早く判断する韓国・台湾メーカーに市場を奪われた。JDIに加わらなかったシャープも、28年に台湾の鴻海精密工業に買収されており、技術流出の加速も懸念される。

 一連の構図は半導体やパソコン、家電、携帯電話の栄枯盛衰に重なる。技術力をどう国益につなげていくか、政府による産業支援は再考を迫られている。(山沢義徳)

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