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世界経済 今年後半の復調見通し浮上 持続性に疑問も

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主要国・地域が抱える経済面の課題
主要国・地域が抱える経済面の課題
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 11日開幕したG20財務相・中央銀行総裁会議の初日の討議で、麻生太郎財務相は世界経済が今年後半に復調するとの見方を示した。米中貿易協議に好転の兆しが出ているほか、中国の国内景気刺激策の効果が出るとみられるからだ。ただ、中国は製造業などで世界の覇権を目指す姿勢を変えておらず、中長期的な米中対立と、それを起点とする世界経済の減速には依然、警戒感も根強い。

 「(復調の見通しについて)楽観主義という人もいる。G20の楽観主義は、世界経済の成長に向けた揺るぎない意思と決意に基づかなければならない」

 麻生氏は会議後の記者会見でこう述べた。交渉筋によると、世界経済の復調見通しに対し、討議参加者から大きな反論はなかったという。

 こうした見通しは、国際通貨基金(IMF)が今月公表した世界経済見通しを根拠としている。IMFは、米中の貿易協議を市場が楽観し始めていると指摘した。

 実際、米国は交渉が進んだとして、3月2日に予定していた中国からの輸入品2千億ドル(約22兆円)相当への追加関税を延期。「現在も頻繁に米中の閣僚同士の交渉が行われており、安心感が出ている」(交渉筋)

 一方、中国が3月の全国人民代表大会(全人代)で国内経済の底上げに向け、2兆元(約33兆円)規模の減税など企業負担軽減策を表明したこともプラス要因だ。政策効果は2019年後半に出てくるとみられ、IMFは19年の中国の成長率見通しを、1月時点の6・2%から6・3%へ引き上げた。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が3月に19年中の利上げを見送る方針を示したことも、投資マネー流出で新興国経済が悪化するリスクを小さくしている。

 もっとも、市場関係者からは、慎重な見方も出ている。大和総研の小林俊介エコノミストは「19年後半から20年前半に上向くという見方は妥当だ」とした上で、「持続性には疑問符がつく」とする。

 特に米中関係に関しては20年2月から米大統領選の予備選が始まるため、有権者受けを狙うトランプ大統領が「(中国を攻撃する)『炎上商法』を取る可能性がある」と指摘。トランプ氏が2期目も務めることになれば、長期成長戦略「中国製造2025」を掲げて先進国を追い抜くことを目指す中国に対し「覇権への挑戦をやめるまでたたくことになり、対立長期化は避けられない」とみる。

 各国も固有の経済リスクを抱える。米国は景気が堅調だがピークを迎えたとの指摘があり、欧州では英国の欧州連合(EU)離脱、イタリア経済の停滞といった問題がくすぶる。国際社会が連携し、中長期的なリスクにどう目配りしていくかが重要になりそうだ。(山口暢彦、蕎麦谷里志)

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