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宇宙ベンチャーのアストロスケール 米国拠点を開設 INCJなどから総額33億円調達

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 故障した人工衛星など宇宙空間に漂うスペースデブリ(宇宙ごみ)除去技術開発に取り組む世界初の民間企業として知られる、宇宙ベンチャーのアストロスケール(東京)は10日、米国コロラド州デンバーに同社としては3カ所目となる海外拠点を開設したと発表した。米国には宇宙航空関連企業が数多く集積しており、技術動向の収集と新規顧客の開拓を図る。(松村信仁)

 新拠点の開設に合わせ、官民ファンドのINCJ(旧産業革新機構)、東京大学系ベンチャーキャピタルの東京大学協創プラットフォーム開発(東京)などから総額約3千万ドル(約33億円)を調達した。

 新拠点の責任者にあたるマネージングディレクターには、米自動化機器製造販売のハネウェルでアジア太平洋地域管轄防衛・宇宙営業統括だったロナルド・ロペス氏が就いた。

 アストロスケールは平成25年に創業。磁石を使ったデブリ除去に関するさまざまな技術の開発を進めており、令和2(2020)年初頭にデブリ除去衛星を打ち上げる計画だ。海外拠点は現在、シンガポールと英オックスフォード郊外。シンガポールで創業し今年2月に本社を東京に移した。

 大蔵省(現財務省)出身で創業者の岡田光信最高経営責任者(CEO)は米国の新拠点について、「政策立案者や業界のリーダーと密なコミュニケーションが取れるようになり、持続的な解決策に向けて考察が深められる」とコメントした。

 スペースデブリは人工衛星を破壊する1センチ以上の大きさのもので50万個を超えるとされる。3月にインドがミサイルを使った人工衛星破壊実験で、新たに400個以上のデブリが発生した。軌道上の衛星にデブリが衝突すると、自動運転には欠かせない衛星利用測位システム(GPS)の運用に大きな影響を及ぼす可能性がある。

 今年から来年にかけては他の宇宙ベンチャーの新たな事業が動き出す。インターステラテクノロジズ(北海道)の小型ロケットの3号機がまもなく完成するほか、ALE(エール、東京)も来年、広島県上空に人工の流れ星を衛星から放出させる。アクセルスペース(東京)も地球観測サービスの実施に向け、昨年末から4年にかけて小型衛星を合計50機打ち上げる。

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