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ひきこもり多い氷河期世代…「生活保護入り」阻止へ早期対応

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 10日の政府の経済財政諮問会議で、民間議員が提言した「就職氷河期世代」の集中支援。バブル崩壊後の景気悪化で新卒時に希望の職に就けないままフリーターや無職となった若者たちは既に30代半ばから40代半ばに達し、自宅にひきこもるケースも少なくない。政府は3年間の集中プログラムを通じて就職氷河期世代を正規就労に結びつけ、高齢期の生活保護入りを阻止したい考えだ。(桑原雄尚)

 民間議員の提言は、3月の前回会議で安倍晋三首相が「就職氷河期世代への対応が極めて重要」と述べ、本格的な支援策の早急な検討を指示したことを受けたもの。厚生労働省も10日の会議で、支援強化に向けた「就職氷河期世代就職実現総合プラン(仮称)」の策定を打ち出した。

 内閣府によると、就職氷河期世代を「平成5年から16年ごろに卒業期を迎えた世代」とすると、人口規模は30年時点で約1700万人で、このうち支援対象となるのはフリーターやパートといった非正規社員、無職など約400万人に上る。これらの人の多くが加入しているのは国民年金とみられ、高齢期に収入が月数万円の年金しかなくなり、そのまま生活保護へ転落することも予想される。

 特に深刻なのは中高年のひきこもりだ。内閣府は3月、半年以上にわたり家族以外とほとんど交流せずに自宅にいる40~64歳の人が全国で61万3千人いるとの推計値を発表。就職活動でのつまずきがひきこもりの一因となっている可能性も指摘されている。20代から就労経験がないまま、中高年になっても親の年金を頼りにひきこもり生活を続けた場合、親が亡くなり年金収入が断たれてしまうと、途端に生活不能に陥ってしまう。政府にとっても生活保護の増加は大きな財政負担となりかねない。

 政府の集中プログラムでは、民間議員の提言に基づき、ハローワークや大学、経済団体などが連携する協議会を通じて支援対象者を把握した上で、具体的な数値目標も定めて減少させていく方向だ。就職氷河期世代の正規就労が進めば、厚生年金の加入で高齢期の所得が確保されるほか、生活保護の減少により財政が健全化。人材不足に直面する企業にとっても就職氷河期世代が大きな戦力となり、経済成長にも寄与する。

 就職氷河期世代の最年長者は50代を目前に控え、残された時間は少ない。政府の集中プログラム実行への意志が問われることになりそうだ。

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