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日産、経営刷新に集中へ 失われた時間 挽回なるか

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日産自動車の臨時株主総会で発言する西川広人社長(左端)=8日、東京都内(同社提供)
日産自動車の臨時株主総会で発言する西川広人社長(左端)=8日、東京都内(同社提供)

 カルロス・ゴーン容疑者(65)を取締役からも解任したことで、日産自動車はコーポレートガバナンス(企業統治)強化を含む本格的な経営刷新や本業の立て直しに集中できる態勢が整った。だが、既に米国事業を中心に足元の収益力は悪化しており、次世代技術をめぐる主導権争いでも存在感は低迷。ビジネスモデルが急速に転換しかねない自動車業界の「大変革期」に臨む中、路線変更の遅れや事件への対応で貴重な時間が失われたことが、致命傷になりかねない。(高橋寛次)

 西川(さいかわ)広人社長(65)は8日の臨時株主総会で、企業統治の再構築▽事業の安定化▽アライアンス(企業連合)を不安定化させない-という3つの課題を挙げた。

 企業統治に関しては、3月下旬の「ガバナンス改善特別委員会」の提言を受け、社外取締役の選任などを進める「暫定指名・報酬諮問委員会」を設置。委員長を務める社外取締役の井原慶子氏(45)は「100人近い候補者から絞り込んでいる」と説明した。

 問題は事業の安定化だ。平成28年3月期に7932億円だった本業のもうけを示す営業利益の31年3月期予想は4500億円と3期連続の減益を見込む。米国で値引き販売を積極化したことによるブランド力低下が響いている。西川氏は「過度にストレッチした目標(過大目標)が収益悪化の要因になった」と、ゴーン流の経営手法の修正が遅れたことを示唆した。

 さらに深刻なのは、大変革期への対応だ。トヨタ自動車は、開発中の自動運転の電気自動車「eパレット」をさまざまな事業者にそれぞれのサービスで使ってもらう構想を打ち出し、世界のライドシェア(相乗り)大手に出資するソフトバンクグループとも提携。日産も、ディー・エヌ・エー(DeNA)と組んで自動運転タクシーを計画するほか、米グーグルとの提携も取り沙汰されるが、次世代の移動サービスのプラットフォーム(基盤)を掌握しようとするトヨタの動きと比べれば、見劣りする。

 西川氏は総会で危機感をこう示した。

 「この数カ月間、業務の運営スピードが鈍っていた。急速に挽回したい」

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