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【日産臨時株主総会詳報】(上)「現経営陣は総退陣すべきだ」 株主から怒りの声

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日産自動車臨時株主総会の会場に入る株主ら=8日、東京都港区(荻窪佳撮影)
日産自動車臨時株主総会の会場に入る株主ら=8日、東京都港区(荻窪佳撮影)
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 前会長、カルロス・ゴーン容疑者の取締役解任などを提案する日産自動車の臨時株主総会。日産にとって重要な節目となるが、開催日の8日は、朝から小雨が降り続くあいにくの天候だった。

 東京・品川駅から高級ホテルの会場へは株主が列をなした。傘も差さずに歩いていた埼玉県所沢市の男性(81)は、「日産は企業倫理がなっていない。会社を私物化していたゴーン容疑者にも、それを止められなかった西川(さいかわ)広人社長にも怒りを感じる」と吐き捨てた。

 午前10時、西川氏が議長としてあいさつし、総会が始まった。ゴーン容疑者は最高経営責任者(CEO)を退いてからも総会の議長を務めていたため、西川氏の議長は初めて。

 「今回、臨時総会を開催する経緯を説明したい」と切り出した西川氏は、「改めて、ご心配とご迷惑をおかけし、深く、深くおわびしたい」。今回の事件で記者会見などでは、頭を下げるようなことはなかった西川氏だが、壇上に並ぶ取締役も続いて頭を下げた。

 西川氏の説明は続く。 「(ゴーン容疑者が初めて逮捕された)昨年11月から4カ月あまり。大変大きな節目を迎えた。経営トップの不正という、長い会社の歴史の中で耳を疑うようなことが起きてしまった。大きなけじめの総会でガバナンス(企業統治)も一歩先に進める。なにとぞ、よろしくお願いします」

 会長の不正については、「内部通報を受けて監査役が調査していたが、私は昨年10月中旬に報告を受けた。その結果、3つの不正が分かった」と強調し、(1)有価証券報告書の虚偽記載(2)私的な目的での投資資金流用(3)私的な目的での経費支出-と明らかにした。

 報酬については「170億円を78億円と記載していた」とゴーン容疑者の“強欲ぶり”を強調した。

 日産も企業として金融商品取引法違反の罪で起訴されたことを指摘し、「非常に遺憾で、改めて深くおわびしたい」と、再び、今度は一人で頭を下げた。現経営陣の責任については、「大きなショックを受けた。一言で言うと残念でならない。このような不正を見つけることができなかった。手口が巧妙だったのは確かだが、私をはじめ経営陣も責任を重く受け止めています」と述べた。

 10時半頃、議案を上程して質疑に入った。2問目には早くも現経営陣の責任を厳しく追及する質問が出た。

 「2人だけが悪かったのか。現経営陣の社会的、道義的責任は大きい。(経営危機からの再建過程で)首を切った2万人の仲間の顔が浮かぶのか。総退陣という形で責任を取ってほしい」

 西川氏は「ご意見としてうかがっていいのか」と動議でないことを確認した後、このように、釈明した。

 「先ほど申し上げたように責任は非常に重く受け止めている。われわれもこの事案を知ったときにショックを受けた。経営者として取るべき責任は、まずは過去に起こったことへの責任と、今と将来に向けて果たすべき責任がある。今は将来のための責任を全力であたっている。社内の動揺を最小限にしてルノーとの関係を安定させ、ガバナンスを再構築する。20年のひずみ、一朝一夕に修正できないが、十分に果たして、次のステップに行けるというところまでいって自らの処し方を決めたい。何とかこの状況を乗り切ることに全力を尽くしたい。ご理解をいただければありがたい」

 質疑は続く。

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