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岐路に立つ「24時間営業」コンビニ最大手の成長戦略に陰

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記者に囲まれ、質問に答える新社長に決まったセブンイレブンの永松文彦副社長。後ろはセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長=4日午後、東京・麹町のベルサール半蔵門(酒巻俊介撮影)
記者に囲まれ、質問に答える新社長に決まったセブンイレブンの永松文彦副社長。後ろはセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長=4日午後、東京・麹町のベルサール半蔵門(酒巻俊介撮影)

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)傘下のコンビニエンスストア大手、セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長が退く。セブン&アイHDが平成31年2月期決算で増収増益を果たす中、わずか3年で社長交代となる背景には、「24時間営業」というコンビニの成長を支えてきたビジネスモデルが岐路に立たされていることがある。

 コンビニの現場は深刻な人手不足だ。セブン-イレブンでは一部加盟店オーナーが自主的に24時間営業をやめて時短営業を始め、注目を集めた。外食でも24時間営業を改める動きが拡大し、業界を問わず大きな経営課題となっている。

 セブン-イレブンは問題を受けて時短実験に踏み出したものの、「24時間方針は堅持する」と表明。抜本的な人手不足対策を打ち出せずにいた。

 こうした古屋氏のトップとしての姿勢に、ある業界関係者は「柔軟性に欠け、問題を必要以上に大きくした。社長交代は事実上の更迭では」と指摘する。セブン&アイの井阪隆一社長も4日の記者会見で「(自主的な時短営業など現場と本部の間で)コミュニケーションに目詰まりがあった」と批判し24時間見直しは柔軟に対応すると表明した。

 社内事情を見ると、平成28年、セブン&アイ会長だった鈴木敏文氏がセブン-イレブン社長だった井阪氏を退任させ、セブン-イレブン副社長の古屋氏を昇格させる人事案を提示し、取締役会で否決された。社内の混乱を受けて結局、鈴木氏が退任し井阪氏がセブン&アイ社長、古屋氏がセブン-イレブン社長に昇格した。

 「カリスマ」鈴木氏の路線を受け継いだ古屋氏の退任で鈴木色は一層薄まる。井阪氏は「事業環境の変化を前に新体制のもとでビジネスモデルを再構築する」と社長交代の意義を強調した。(柳原一哉)

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