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貨物船などに新たな付加運賃 環境規制対応で国交省

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 国土交通省が、国際的な船舶燃料環境規制の大幅強化に対応し、カーフェリーや貨物船などの内航船を対象にした、新たな燃料特別付加運賃(サーチャージ)の設定に向けたガイドラインを近く策定することがわかった。規制が適用される令和2(2020)年1月から、海運各社はより高額な燃料を使用せざるを得ず、乗客や荷主に対し、コスト上昇分の負担を要請しやすい環境を整える。

 海運各社は、ガイドラインを基に荷主などに運賃の上積みを要請する。フェリーなどではすでに原油価格の変動に対応するためのサーチャージ制度があるが、今後は環境対応のための追加の燃料費負担を徴収することになる。

 現在の主流の船舶燃料であるC重油は、安価だが硫黄分が多く、大気環境改善を目的とした新規制では事実上使えなくなる。新規制が始まれば、各社は低硫黄の燃料を使ったり、C重油に硫黄分が少ない軽油などを混合したりするなどして、規制をクリアする必要がある。

 国内では、まだ適合燃料が商品化されていないことに加え、価格がC重油よりどの程度高く設定されるか不明確だ。業界では少なくとも2割、高ければ5割超のコストアップになると予測している。さらに、供給量によっても価格が大きく変動する可能性が高く、国交省ではサーチャージ制度で柔軟な価格転嫁を可能にすべきだと判断した。

 また、国交省は燃料費が船舶で運ばれる製品のコスト全体に占める割合は低いとして、たとえ燃料費が2割上昇しても、製品のコスト全体の上昇はほとんどのケースで0・1%未満にとどまると試算している。

 国交省は今後、説明会などでこうした事情を明確にし、サーチャージを負担する荷主企業に社会全体での環境対応負担への理解を求める。

 船舶燃料の環境規制 国際的な海運のルールを決める国連の専門機関、国際海事機関(IMO)が、2020年1月から、全世界で船舶燃料の硫黄分の上限を現行の3・5%から0・5%に引き下げることを決定した。酸性雨などの抑制が目的。対応には、規制に適合する燃料への切り替えが必要で、数割のコスト上昇が見込まれる。世界の海運全体で、追加コストは約3兆4000億円になるとの試算がある。

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