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2時間で配達4件、報酬2500円…「ウーバーイーツ」支える新たな労働スタイルに密着

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注文された品を受け取りに向かう女性配達パートナー=東京都港区(佐藤徳昭撮影)
注文された品を受け取りに向かう女性配達パートナー=東京都港区(佐藤徳昭撮影)
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 米配車サービス大手ウーバーテクノロジーズが手がける食事宅配サービス「ウーバーイーツ」が国内で広まってきた。スマートフォンを操作するだけで飲食物が届く手軽さで支持を集めており、商品を提供する外食側も商機とみて契約店が急拡大する。宅配が今秋の消費増税時の軽減税率の適用対象であることも追い風に、今後も勢いが増しそうだ。好きな時間に働けるため、自由度の高い新たな労働スタイルとして注目を浴びている「配達パートナー(委託配達員)」に密着し、業務の実態や報酬などを探った。

 3月28日の正午頃、麻布十番駅(東京都港区)の近くで、配達員の女性(34)がギア付きのマウンテンバイクにまたがり待機していた。仕事のときは自宅から来られて、かつ注文の入りやすいこのエリアで待つことが多いのだという。ダウンコートにジーパンというラフないで立ち。配達員に制服はなく、「Uber Eats」と大きく書かれた、箱のようなかばんが目印だ。

 「携帯の専用アプリを、受注ができる状態に設定すると、近くのお店に注文があった場合にアラームが鳴るんです」。スタンバイを済ますとアプリの画面に周辺の地図が表示された。

 5分経過。動きがないため30メートルほど場所を移すと、最初のアラームが鳴った。画面には300メートルほど離れたカレー店が表示された。

 受注ボタンを押し、自転車で快走する女性を、タクシーで追いかけた。2分ほどで店に到着。女性が「ウーバーイーツです」と店員に声をかけると、できたての1人分の商品が渡された。「倒れてこぼれたりしないよう、工夫してます」。かばんの中には、周りにアルミシートを詰めた小さな保温バッグがあり、商品が動かないようになっていた。

 すぐに注文者の元に向かう。グーグルマップに1.5キロほど離れた六本木のオフィスビルまでの経路図を表示させ、10分ほど移動。商品を渡した。料金はすでにネット上で決済されており、女性は金銭の授受に関与しなかった。配達終了をアプリを通じて報告すると、早速、報酬額が表示された。約600円だった。報酬は距離に応じた基本額に加え、天候、時間帯による増加分があるという。「割り増しの時間帯を狙って、効率よく収入を得ることを考えています」

 女性は独身で実家暮らしをしている。芸術系の大学出身で、デザインやネットショップ運営を本業と説明するが、生計の中心は配達員の収入だ。以前はシフトのアルバイトを週3回していたが、人間関係などに疲れ、配達員に登録したという。同社によると、配達員には本業が別にある人も多い。夢を追う俳優や女優、芸人の卵もいるそうだ。

 1回目の配達を終えると、すぐまたアラームが鳴る。今度はハンバーガーショップだ。しかし受注をキャンセル。自転車が入れぬ敷地内に店があるからだという。「依頼」があっても、受注するかどうかは自分で決められるのだ。

 ランチタイムのピークを迎え、間髪入れずにまたアラームが鳴る。牛丼チェーン店だ。今度は受注し、商品を1.5キロほど離れた注文者に届けた。

 女性はここで一度受注を遮断した。坂道を走り、少し疲れたという。「休憩時間も自分で決められるのがいいところ」。約10分後に受注を再開すると、またすぐアラームが鳴った。移動中には、別の配達員にも出くわした。目的地のチェーンの弁当店に1分ほどで着いたため、弁当の完成を待つ時間が約3分発生した。

 配達後、また5分ほどで受注した。今度も弁当店だ。1人分の弁当を受け取り、20分弱で到着したのは中目黒(目黒区)のタワーマンション。エレベーターを上がり、住人の女性に商品を渡した。

 約2時間で4件の注文をこなし、画面の報酬額は約2500円になっていた。「月10万円を目標にしている」とのことだが、ウーバーイーツの営業時間(地域によって異なる、東京は午前9時~同0時)中は自由に稼働できるため、月20万円以上稼ぐ配達員もいるそうだ。「本業を優先させながら無理なく働き、収入を安定させられる」。女性はこの仕事に満足げだった。(高力悠一朗)

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