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世銀のキム総裁が退任へ 後任人事、対中融資にも影響か

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世界銀行のジム・ヨン・キム総裁(AP)
世界銀行のジム・ヨン・キム総裁(AP)

 【ワシントン=塩原永久】世界銀行は7日、ジム・ヨン・キム総裁(59)が2月1日付で辞任すると発表した。米国人のキム氏は2012年に就任。2期目の任期を約3年半残した唐突な辞任表明となった。トランプ米政権は、中国など経済大国となった新興国への世銀の融資を問題視しており、後任人事が融資方針に影響を及ぼす可能性もある。

 世銀によると、キム氏は退任後、途上国のインフラ投資の関連企業に参加するという。キム氏は「貧困の根絶に熱意を傾ける同僚たちが集まる組織の総裁職を務めたことは誇りだ」との声明を発表した。

 後任はブルガリア出身のゲオルギエバ最高経営責任者(CEO)が暫定的に代行する。次期総裁の選出時期は未定。

 キム氏は韓国系の元医学者。世銀総裁ポストは最大出資国、米国の意向が強く反映されてきた。12年にオバマ前政権の推薦で就任したキム氏は、17年に再任され、2期目の任期が22年6月末となっていた。後任候補をトランプ米政権が推薦する公算が大きい。

 米政権は、中国が「新興国」との位置づけで世銀から融資を受け続けていることに難色を示し、世銀の財務基盤強化を目指す増資にも反対してきた。だが18年4月、世銀の組織改革などが進展したため、8年ぶりとなる増資を容認した。

 国際機関を舞台にした多国間協調を軽視しているとのトランプ政権への反発もあり、「米国の指定席」とされてきた世銀の総裁ポストの後任選びが「波乱含み」(英紙フィナンシャル・タイムズ)になる懸念が専門家から指摘されている。

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