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総務省、来年度から火星のテラヘルツ波を調査 酸素ある?生命いる?

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総務省、来年度から火星のテラヘルツ波を調査 酸素ある?生命いる?

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テラヘルツ波火星探査 1/1枚

 世界初の火星の酸素観測に向け、総務省が来年度から3年間、光と電波の中間の性質を持つ電磁波「テラヘルツ波」の研究開発を進める方針を固めたことが2日、分かった。水蒸気や酸素に反応し、放射されやすいテラヘルツ波が、火星から出ているかどうかを検知することで確認できるという。この応用で生命体の存在も調べられるといい、地球からの移住の可否の調査にも役立てたい考えだ。

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 研究を進めるテラヘルツ波は、高度な技術開発が必要で世界的に実用化が進んでいない。総務省は火星の酸素観測の支援に向け、理化学研究所や情報通信研究機構(NICT)、民間企業などに研究を委託する。

 総務省関係者によると、テラヘルツ波を検知する小型センサー付きの人工衛星を火星上空に飛ばし、酸素や水の存在を確認。水や酸素が地上からどれぐらいの高さにあるのかなどのほか、テラヘルツ波を出す水蒸気や酸素からバクテリアを探索するという。

 テラヘルツ波の利用で、現在よりも精細な地球の気象観測や災害予測への応用も可能だ。崖崩れの恐れを住宅ごとに知らせる土砂災害警戒情報の提供や避難解除時期の予測など、災害の場所や時期に関するきめ細かな予報システムの開発が期待されるという。

 火星に向けモノを運ぶのは「1キロ1億円程度」(同省関係者)と大型プロジェクトだが、米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)のロケットに小型人工衛星を相乗りさせてもらうなどして、費用を抑える考え。火星が地球と接近する平成32年が探査の時期として有力視されている。

 総務省はテラヘルツ波の研究の委託補助費用などとして、来年度から3年間で5億円程度を予算に盛り込む方針だ。

【用語解説】テラヘルツ波 300ギガ(ギガは10億)ヘルツ~3テラ(テラは1兆)ヘルツの光に近い周波数帯の電磁波。紙や布など光を通さないものを透過するが、水には透過しないという性質を持ち、水や酸素を感知するセンサーへの応用が期待されている。発生や検出が非常に難しく技術開発が困難なため、「人類が未開発の最後の電磁波」とも呼ばれているが、日本では欧米に先駆けて研究が進んでいる。