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【北海道が危ない 第5部(下)】中国大使の釧路訪問がきっかけか トマム、スイス牧場、豊糠…何かが一斉に動き出した

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中国大使の釧路訪問がきっかけか トマム、スイス牧場、豊糠…何かが一斉に動き出した

北海道が危ない 第5部(下)更新
急速に拡張が進む星野リゾートトマム。まるで大きな集落のようだ 1/3枚

 本連載を始めて1年余り。中国資本の影が見え隠れする地域の現状を報告してきた。1年がたち、どうなっているのか? 4月下旬、何カ所かを訪ねた。

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 一昨年、中国の商業施設運営会社「上海豫園旅游商城」に買収された「星野リゾートトマム」(北海道占冠村)。名前はそのままだが、代表者は上海豫園旅游商城に変わり、星野リゾート(長野県軽井沢町)は運営管理だけだ。

 上海豫園旅游商城の大株主の中国民営投資会社「復星集団」(フォースン・グループ)は隣のリゾート地「サホロリゾートエリア」(北海道新得町)で宿泊施設を所有するフランスのリゾート施設運営会社「クラブメッド」も買収しており、星野リゾートトマムもサホロリゾートも完全に中国資本の傘下に入っている。

 そのトマムの西エリア地区を訪ねると瀟洒(しょうしゃ)なホテルやコンドミニアムが建ち、新しいホテルの建設も始まっている。一つの集落だ。

 占冠村によると、同地区は、星野リゾートトマムと村が賃貸借契約を交わしていたが、営業を停止していた。今回、星野リゾートトマムが休眠状態だった3棟の施設を約300室の宿泊施設に改造。センター棟を建設し、今年12月をめどに経営を再開、クラブメッドが運営するという。

 同村は、土地を含めた全ての不動産を星野リゾートトマムに売却する方針だ。

 長年、道内での中国資本の動向を注視してきた小野寺秀前道議は、「中国資本が買うという話は聞いていたが、これほど進んでいるとは思わなかった」とした上で、「中国資本がこれほど大規模に動いているとなると、1万人規模の大規模なチャイナタウンができる可能性がある」と驚きを隠さない。

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 日高山脈・十勝幌尻岳山麓のスイス牧場はどうなっているのか?

 昨年初夏、訪ねたときは森林に覆われ、“牧場”内を見ることはできなかった。ところが、その雑木林が切り取られ、森林に埋もれていた「帯広南の丘 スイス牧場 Shouwa 95nen beginnen」と書かれた看板は裸同然だ。入り口には「私有地につき立入厳禁」の看板があり、監視カメラがにらんでいる。入り口から30メートルほど先は山にぶつかり、斜面に沿って道路が山頂に延びている。車の通行跡が人の出入りの激しさを物語っている。

 山の上で何が行われているのか? 航空写真で確認すると、山の頂は平らで、台形のような形なのが分かる。広さは0・5ヘクタールほどだ。高台では牛を飼っても放牧できない。わざわざ、高い所を買うメリットはあるのだろうか?

 JA帯広かわにしと大正農協、帯広市農政課に確認すると、昨年と同様、「知らない。スイス牧場の名前も聞いたことはない」。

 一体、だれが何をしているのか? なぜ、突然、動き始めたのか? 看板にある「昭和95年」を目指しているとすると、あと3年しかない。だから、急いでいるのか。

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 中国と関係があるとされる農業生産法人に村がほぼ丸ごと買収された平取町豊糠はどうか?

 昨年は買収から5年たったにもかかわらず雑草や雑木が伸び放題だったが、再訪すると、雑草が刈り取られ、管理が行き届いているように見える。

 だが、地元住民はいう。 「雑草をただ刈っただけ。非耕作地であることには間違いない」

 柳を避けて周りの雑草だけを刈っているところもある。

写真ギャラリー

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