産経ニュース for mobile

記事詳細

ECB、量的緩和導入の公算 国債の購入方法に関心、4案浮上

更新

 欧州中央銀行(ECB)は22日の理事会で、国債を買って市場に大量のお金を流す量的金融緩和の導入を決める公算が大きい。ユーロ圏の物価上昇率が水面下に沈むなどデフレ懸念が強まったためだ。緩和効果や市場影響をめぐり国債の購入方法に関心が集まっている。

 ECBの国債購入の規模について、市場では最大5千億ユーロ(約70兆円)との予想が多い。野村証券によると、具体的な購入方法は4つの案が浮上している。

 最も有力視されるのは、ユーロ圏各国のECBへの出資比率に応じ、各国の中央銀行が自国の国債のみを購入する案だ。各中銀が購入分のみの損失を負う方式で、量的緩和に難色を示すドイツも受け入れやすい。

 2つ目は、出資比率に応じて国債を購入する買い方は同じだが、損失を出資比率に応じて各中銀でシェアする方法。全体の4分の1は信用力の高いドイツ国債となるため、緩和を縮小する段階で売却しやすいという利点がある。しかし、第1と第2の案は、緩和マネーを必要とする南欧にお金が回りにくく、政策効果は限定的となる。

 第3は、格付けの高い国債のみを購入する案。ドイツなど信用力の高い国債ばかりなので、金利急騰(価格急落)で損失を被るリスクが小さく、多くの国の賛同を得やすい。だが、南欧諸国の国債がほぼ購入対象外となり、ユーロ圏全体の景気浮揚効果は期待薄だ。

 第4は、国債発行残高に応じて購入する案だ。ユーロ圏各国の発行残高(個人向けを除く)は、邦貨換算でイタリア約250兆円▽フランス約210兆円▽ドイツ約150兆円▽スペイン約140兆円-など。南欧諸国にも大量の資金が供給され、金利を引き下げる効果が大きいため、企業や個人はお金を借りやすくなる。

 野村証券の岸田英樹シニアエコノミストは「第4の手段の効果が一番大きい」と分析するが、各国の借金をECBが肩代わりする「財政ファイナンス」と批判されやすい。

 25日のギリシャ総選挙に伴う政局混乱も不安材料だ。デフォルト(債務不履行)の可能性がささやかれるギリシャ国債を購入対象とすれば、ECBの信用が揺らぎかねない。

 量的緩和の制度設計は複雑になるとみられ、22日の理事会で緩和の大枠を決めても、詳細の公表は3月の理事会に持ち越される可能性もありそうだ。

ランキング