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再生エネ買い取り見直し 政府検討総額2・7兆円に急増の試算 家計への負担を考慮

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再生エネ買い取り見直し 政府検討総額2・7兆円に急増の試算 家計への負担を考慮

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 政府は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の見直しに入った。電気料金に上乗せされる買い取り負担額が家計に重くのしかかるほか、太陽光発電の導入急増で電力の需給バランスが崩れ、最悪の場合、大規模停電が発生する恐れがあるためだ。九州、東北など電力5社は再生エネの新規受け入れを当面中断すると決断。政府は各社の送電網の現状を調査し、再生エネの受け入れ可能量を見極める。

 経済産業省は30日の総合資源エネルギー調査会新エネルギー小委員会で、国が6月末時点までに認定した再生エネがすべて発電を始めた場合、買い取り総額が現状の約4倍の2兆7018億円に達するとの試算を示した。

 同制度では、再生エネの買い取り費用を電力会社が家庭や企業の電気代に上乗せして回収する仕組み。このため、標準家庭の1カ月当たりの負担額は現在の225円から935円へ膨れあがるという。

 再生エネの中でも、太陽光は買い取り価格が高いため、企業や個人が相次いで参入。制度開始後は導入量、認定量とも9割以上を占める。

 電力各社は、買い取る再生エネ発電の電力量が需要に対して過大となり、電力の安定供給に支障が出かねない事態を深刻視。九州電力は9月25日から、管内全域を対象に再生エネの新規受け入れを中断した。東北、四国、北海道の3電力も30日の新エネルギー小委員会で、10月1日から受け入れを中断することを明らかにした。

 各社は送電網の拡大などで対処する方針だが、受け入れ中断の動きが全国に広がる可能性がある。

 経産省は、再生エネの系統接続可能量を検証する専門家会合(ワーキンググループ)を設置することを決定。年内に各電力会社の受け入れ能力を算定し、接続可能量の拡大に向けた運用の見直しや設備増強などについても検討する方針だ。

 小渕優子経産相は30日の閣議後の記者会見で「再生エネを発電しようとする人にとって、大きな影響は否めない」との懸念を示した。

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