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【朝晴れエッセー】こちらこそ、ありがとう・2月25日

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 朝、高校生の娘を駅に送ってから、出勤することが日課になっていました。

 その日の朝もいつもと変わらず娘を駅まで送るはずでしたが、一つだけいつもと違うことがありました。

 それは、駅に着いた瞬間、娘から手紙を渡されたことです。

 「たぶん、今日が最後の送りだと思うから。3年間ありがとう。じゃ、行ってきます」

 テレビのCMで見たことはありましたが、まさか自分が言われるとは思いもしなかったので、正直驚きました。

 手紙には、家を出発する時間が遅くなり申し訳なかったこと。電車に乗り遅れて学校まで送ってもらい迷惑をかけたこと。朝ご飯を食べる時間がないときは、車の中で食べたこと。そして、今まで3年間ありがとうと感謝の気持ちが込められていました。

 世間一般では、高校生ぐらいになると会話が少なくなったり、冷たい態度をとられたりと、父親にとっては非常にハードルが高いとされていますが、特に反抗期らしいものもなく、いつも変わらず接してくれたのは、朝の送りのおかげかもしれません。

 これから、会社に着くのが少し早くなることは良いことですが、何とも寂しいものです。

 10分足らずの短い日課ではありましたが、娘と他愛のない会話をしながら過ごす朝のひとときは、私の楽しみの一つであったことは間違いありません。

 こちらこそ、素敵な思い出をありがとう。

吉田貴史 46 京都府福知山市

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