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【社説検証】五輪組織委に橋本新会長 「透明性欠いた選考」と朝毎  産経「開催へ前向き議論を」

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東京五輪・パラリンピック組織委の新会長に就任し、記者会見する橋本聖子氏 =18日、東京都中央区
東京五輪・パラリンピック組織委の新会長に就任し、記者会見する橋本聖子氏 =18日、東京都中央区

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に橋本聖子参院議員が就任した。女性蔑視と受け取られかねない不適切発言で辞任した森喜朗前会長の後任として、五輪本番が5カ月後に迫る中での緊急登板となった。

 新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るう中で、いかに選手や観客らの安全を確保しながら、大会を実現させるかの手腕が問われる。森氏の発言で傷ついた東京大会のイメージの回復も果たさねばならない。

 橋本氏は会長就任にあたって菅義偉政権の五輪相を辞任した。それだけではなく、政治的な中立を求める野党に押される形で自民党からの離党にも追い込まれた。国や東京都、国際オリンピック委員会(IOC)との難しい調整も予想され、その前途は多難だ。

 産経は「新型コロナウイルス禍に社会があえぐ中、今夏の開催には多くの国民が懐疑的な見方をしている。東京大会は危機にあるといっていい」と指摘し、「今夏の『安全・安心』な大会の実現を、世界に発信し続けてもらいたい」と注文した。

 読売は「森前会長の女性差別と受け取られかねない発言により、日本が性差別が残る国だという印象が国際社会に広まった。国内でもボランティアらの辞退が相次いだ」と危機感を示したうえで、「組織刷新に全力を挙げ、負のイメージを払拭してほしい」と求めた。

 「選考過程は透明性を欠いた」と新会長の選出方法を批判したのは毎日である。「候補者検討委員会のメンバーで、発表されたのは座長の御手洗冨士夫名誉会長だけだ。議論の内容も明らかにされないまま、候補を橋本氏に一本化する流れができた」と難じた。

 朝日も「多くのスポーツ団体の指導者が透明性を欠く手続きで選出され、それが相次ぐ不祥事の背景にあると指摘されて久しい」と論考したうえで、「抜本的な意識改革が求められてきたのに、今回も結果として旧態依然のやり方がまかり通った。残念というほかない」と断じた。

 東京大会の開催実現には多くの課題が残されている。産経は「来月25日には聖火リレーが始まる。沿道の観衆の扱いなど感染予防策をどう講じるか、決断は急を要する。観客を入れて大会を開催するかどうかも判断を迫られる。今後は真のリーダーシップが問われる」と主張した。

 読売も「選手らが安心して参加できるよう、検査体制や人員の確保も含めて、安全な大会への具体的な道筋を示すことが重要だ」と指摘したうえで、「混乱を引きずる時間的猶予はない。組織委や国、東京都など関係機関が緊密に連携し、大会の実現に最善を尽くしてもらいたい」と訴えた。

 日経は「組織委などはすでに、日本に入国する選手らに、最低で4日に1度の検査や行動制限を課す方針を示している。スマートフォンのアプリを使った健康観察や、専用車両での移動も求める。スムーズなオペレーションに向けた態勢づくりを急がねばならない」と求めた。

 産経は東京大会の開催実現に向けて「いまの日本に必要なのは、『現実的な選択を』といった中止ありきの消極的な議論ではない」と指摘したうえで、「10年単位の歳月をかけて招致と開催準備に取り組んできた五輪に向けて、社会と経済を前に動かすための前向きな議論である」と強調した。

 オリンピック・パラリンピックは国を挙げての一大イベントである。その大会の開催実現は橋本氏だけに任せれば済むものでは決してない。政府と自治体、スポーツ関係団体が連携を図りながら、主体性を持って動く必要がある。(井伊重之)

■五輪組織委の橋本新会長をめぐる主な社説

 【産経】

 ・五輪の開催へ強い姿勢を

 【朝日】

 ・課題山積、厳しい船出

 【毎日】

 ・国民が納得できる運営を

 【読売】

 ・混乱収拾し準備に最善尽くせ

 【日経】

 ・新会長に望む現実踏まえた五輪の準備

 【東京】

 ・信頼回復へ透明化急げ

 (いずれも19日付)

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