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【主張】米大統領選半年 中国に覇権の隙与えるな

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 米大統領選は11月の投開票まで半年を切った。共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領の対決となる。

 双方は新型コロナウイルスの感染対策をめぐって非難合戦を繰り広げているが、今、必要なのは国内の分断を広げることではなく、新型コロナとの戦いに国民を結束させることである。

 米国は世界最大の被害国となっている。その収束の行方は超大国米国の浮沈とともに、中国が主導権を狙う「コロナ後」の世界秩序をも左右する。

 第二次大戦や米中枢同時テロに匹敵する国難である。

 トランプ氏は頻繁に記者会見して「戦時下の大統領」をアピールする。だが当初は楽観的見解を繰り返し、検査体制の整備や医療物資の確保に出遅れたことを批判された。最近では経済活動の早期再開を唱え、慎重姿勢を示す一部の州政府と対立している。

 トランプ支持者が街頭に集結して外出「解放」を訴える光景は、深まる分断の象徴にみえる。トランプ氏は場当たり的な言動を慎み、専門家の助言に耳を傾けてほしい。再選に不利となろうが、目前の危機解決に粉骨砕身するのが真の「戦時指導者」である。

 バイデン氏は支持率でトランプ氏をわずかに上回るが、存在感を示しているとはいえない。コロナ禍で浮き彫りにされた未解決の課題に処方箋を示すことが求められる。特に全国民対象の医療保険制度の不備は貧困層の高い致死率の要因であり、実効性ある改革が急がれるはずだ。

 両者とも米国を再生に向かわせる大統領選を意識してほしい。

 各国は国境を閉じて自国の防疫に懸命である。グローバル化の後退は不可避だが、自国ファーストのみで感染拡大は克服できない。世界恐慌が現実味を増す中で、国際協調の再構築と米国の指導力をどう描くか。大統領選で避けて通れないテーマのはずだ。

 中国は国内で経済回復にかじを切り、感染拡大に苦しむ国々に医療物資を提供する「マスク外交」を展開している。一方では南シナ海の軍事支配を強化している。

 米国民の中国不信の高まりに、両陣営は互いの対中姿勢を批判し合っているが、分断の拡大が進めば国力の衰退を招き、中国にコロナ後の覇権を奪う隙を与えることになる。

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