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【主張】英語の学力テスト 「話す」土台の国語鍛えよ

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 「話す」のが苦手で、基本的な文法も身についていない。全国学力テストで中学3年を対象に英語が初めて行われ、課題が明らかになった。

 基礎を大切にコミュニケーション能力の向上を図る、文部科学省のかけ声とは正反対の結果である。指導態勢などの厳しい検証が必要だろう。

 中3生は、小学校で英語に親しむ「外国語活動」の授業が導入された世代だ。

 ところが、英語の平均正答率をみると、「聞く」(68・3%)▽「読む」(56・2%)▽「書く」(46・4%)▽「話す」(30・8%)で、思うように会話力がついていないことが分かった。

 2人の会話のやりとりを踏まえ関連した質問を考える問いでは、正答率が1割台と低かった。将来の夢などを話す問題も、正答率は4割台にとどまった。

 さらに気がかりなのは「書く」などの分野で、三人称単数現在形(三単現)の動詞を間違える生徒が目立つなど基本的な文法が身についていない懸念があることだ。「話す」力の育成もうまくいかず基礎も身についていなければ、虻蜂(あぶはち)取らずの結果である。

 文科省は、英語教育の早期化に舵(かじ)を切り、来年度からは小学校で英語が教科となる。だが早くから学べば英語が話せるようになると思うのは安易だ。日々使う環境がなければ英語はすぐに忘れ、身につかないことは専門家も指摘している。授業時間が限られた学校教育では、まず基礎の習得に重きを置くことを明確にすべきだ。

 文章の空欄に接続詞を入れる問いでは、「but」が正解なのに「because」と答えた生徒が目立った。そもそも、文章を理解する国語力に課題があるのではないか。

 コミュニケーションの基礎となるのは、相手の言葉をよく聞き、理解する読解力だ。これを支えるのは国語力である。あらゆる教科につながる知的基盤だ。それは日頃からの読書などを含め培われるものだ。英語早期化を焦り国語力育成が忘れられては困る。

 学力テストと合わせて行われた生活などの調査の分析から、新聞を読む習慣のある子供の方が、国語、算数・数学、英語とも正答率が高い傾向が顕著に出た。新聞は日々さまざまな情報を分かりやすくまとめる工夫をしている。学力向上に活用してほしい。

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