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【主張】北のミサイル 日米は「脅威」を直視せよ

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 北朝鮮が7月31日の早朝、6日前に続き、日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射した。危険な軍事的挑発を繰り返すことは到底認められない。

 国連安保理決議違反であり、国際社会は対北制裁をより強固にしていくべきである。

 極めて残念なのは、トランプ米大統領が、軍事挑発の責任者である金正恩朝鮮労働党委員長に甘い顔をしていることだ。おかげで北朝鮮が図に乗っている面が否めない。

 トランプ大統領は前回7月25日の発射について「短距離であり、多くの国も保有している」と問題視しない姿勢を示した。ポンペオ米国務長官は金正恩委員長を「聡明(そうめい)だ」と評した。このような米政府の態度は間違っている。

 非核化をめぐる米朝実務協議は再開に向け調整中だ。8月5日から米韓合同軍事演習が予定されている。相次ぐミサイル発射は、北朝鮮が実務協議を有利に運ぶねらいがあるとともに、米韓演習への反発を示したといわれている。

 なぜそうなのか。今回や前回、それに5月4、9日に発射したミサイルは、ミサイル防衛(MD)網の突破を目指すロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」のコピーだとみられるからだ。

 韓国軍によると今回の最大高度は約30キロ、飛距離は約250キロだった。前回は最大高度約50キロ、飛距離約600キロだった。

 前回は、下降段階で弾道から外れて水平飛行に移った。弾道を計算して終末段階で迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による対処が困難となる。また、最大高度が低く、高度70キロ以上で撃ち落とす現行のSM3ミサイルでも対応が難しい。

 前回の飛距離を最大射程としても、北朝鮮領内から福岡、北九州市はもちろん、極東最大級の米軍岩国基地(山口県)をねらうことができそうだ。

 トランプ大統領は同盟国や米軍基地が脅威にさらされていることにもっと敏感であるべきだ。

 安倍晋三首相は7月31日、「わが国の安全保障に影響を与えるような事態ではないと確認している」と語ったが、緊張感に著しく欠ける。新型ミサイルの脅威を国民に伝える必要がある。

 日米両政府は北朝鮮の新たな脅威を直視し、挑発を許さない姿勢で臨まなければならない。

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