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【主張】米FBに制裁金 利用者保護の徹底を図れ

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 米インターネット大手のフェイスブック(FB)が個人情報の管理に著しい不備があったとして米連邦取引委員会(FTC)との間で約5400億円の制裁金の支払いで合意した。

 個人情報に関する制裁金としては過去最大となる。データ管理の徹底などにも取り組む。

 同社は昨年3月、最大8700万人に及ぶユーザーデータが英コンサルタント会社に不正流出していた事態が発覚し、FTCが調査を進めていた。米国では個人情報を保護するための規制が検討されており、今回の制裁金は懲罰的な意味合いが大きい。

 また、米司法当局はFBや米グーグルなど「GAFA」と呼ばれるネット大手に対し、独占禁止法に基づく調査を始めることも正式表明した。こうした企業は独自のビジネスモデルで巨額の利益を稼ぎ出しているだけに、利用者を保護する観点で実効性のある規制が不可欠だ。

 FBが学術目的で外部に提供した大量の個人情報が不正に利用された。ユーザーの同意を得ないで友人データの取得を許すなど、杜撰(ずさん)な利用実態も判明した。FTCが同社の管理責任を厳しく追及したのは当然である。

 同社が発表した今年4~6月期決算では、制裁金が響いて最終利益は約2800億円と前年同期に比べ半減した。だが、世界で24億人以上の利用者を抱え、売上高は前年より3割近く増えており、手元資金も数兆円にのぼる。制裁金が同社の経営に与える影響は限定的だ。今後は情報管理の徹底に向けた対策が何より欠かせない。

 個人情報保護で先行する欧州では、一般データ保護規制が施行され、情報流出で制裁金を科される企業が相次いでいる。世界的にも個人情報保護に対する関心は高まっており、日本企業も情報保護の体制づくりが問われよう。

 一方、FTCや司法省はGAFAに対し、不当な市場支配などの調査も始めた。企業買収や新規事業への進出などが厳しく監視されることになる。健全な競争を促す環境を整備し、利用者の利便性向上につなげるべきだ。

 GAFAに代表される大手ネット企業の経営実態は不透明で、米政府は規制に消極的だった。しかし、そうした企業の存在感は一段と高まっており、米当局は各国と連携した規制を講じてほしい。

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